ヒートシンク

ヒートシンクとは

ヒートシンク

ヒートシンク(heat sink)とは、冷却を目的に機器へ取り付けられる部品です。主に電子機器に対して使用され、過度な温度上昇を防ぎます。放熱板とも呼ばれます。

原理や構造が非常に単純で、物理的な動作を必要としません。そのため、故障しにくいというメリットがあります。

ヒートシンクの使用用途

ヒートシンクは、発熱を伴う電子部品などに組み合わせて使用されます。代表例はパソコンのCPU冷却です。

CPUなどの電子部品は、内部に半導体や導電体を使用しています。これらのパーツは動作時に常時発熱しており、発熱を放置すると電子製品内部の温度が上昇して、周囲のニスを溶かしたり、半導体部品を焼損させたりします。ヒートシンクでこれらの発熱部品を放熱すると、過熱による故障を防げるようになります。

通常のCPUではヒートシンクを取り付けた上で、ファンを用いて冷却しています。これらをセットでCPUクーラと呼びます。

ヒートシンクの原理

ヒートシンクは、金属を櫛状に並べた構造とします。櫛部分をフィンと呼び、櫛状にすることで表面積を増やして放熱性能を高めます。ヒートシンクの原理は熱力学第二法則です。これは、熱が必ず高温物質から低温物質へ流れるという、極めて単純な原理です。

したがって、ヒートシンクのみで運用した場合は、大気温度以下に下げられません。そのため、小型の電子部品や耐熱温度が高い機器対して使用します。ヒートシンクに合わせてファンやポンプを用いて強制循環を行うことで、冷却効率を向上できます。

発熱量が多い場合は、ペルチェ素子ヒートポンプなど、冷却効率がさらに高い機器を使用します。

ヒートシンクのその他情報

1. ヒートシンクの性能

ヒートシンクの性能は主に「熱抵抗」によって示されます。熱抵抗とは温度の伝わりにくさを示す値であり、「ある物体に1ワットの熱を加えたら何度温度が上昇するか」を意味します。熱抵抗の単位は「K/W」または「℃/W」です。

熱抵抗はヒートシンクの表面積や利用する素材によって異なり、値が小さいものほど性能が高くなります。表面積を大きくすることで最も効率良く熱抵抗を低減できるため、ヒートシンクは櫛状や蛇腹状に設計されます。

ヒートシンクの性能を示す値としては、圧力損失もあります。圧力損失はヒートシンクを通る空気や冷却水の抵抗を示したもので、値が低いほど高性能です。

2. ヒートシンクの素材

ヒートシンクの素材には熱伝導性が高い金属が使用されます。アルミニウム合金や真鍮・青銅といった銅素材、あるいは銀や鉄などの金属が用いられます。熱伝導性が良いのは銅素材ですが、重量があり高価です。そのため、ヒートシンクの素材として用いられることは稀と言えます。

それに対してアルミニウムは軽量低コストです。アルミニウムは自己放熱性も高く、風量が少ない環境ではアルミニウムがより適している場合もあります。

ヒートシンクの素材としては主にアルミニウムが用いられます。アルミニウムでは必要スペックを満たさない場合に他素材が検討されます。

参考文献
https://www.alu4all.com/what-is-a-heat-sink-and-its-working-principle/
https://www.furukawa.co.jp/jiho/fj115/fj115_16.pdf
https://www.koaglobal.com/-/media/Files/KOA_Global/technology/seminar_doc/CEATEC2019session1forWEB.pdf?la=ja-JP&hash=E38C0CD04A078CEC167CE17E0D449029
https://www.micforg.co.jp/jp/c_ref2.html
https://www.denshi.club/parts/2016/01/2.html
http://www.hardwarepartss.com/Company-news/775.html

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