ドライエッチング加工とは
ドライエッチング加工は、加工物にプラズマ化したガスが化学反応を起こし、腐食効果のあるイオンをぶつけて、レジストという保護膜に覆われていない部分を削る加工方法です。ガスをプラズマ化させる際は、真空状態を作る必要があります。また、少しでもダメージを抑えるために低温プラズマが使用されます。
プラズマとは、中性分子と陽イオン、陰イオンが混ざった非常に活性化した状態のことです。気体に熱や電気エネルギーを加えると、気体は分子とのつながりが弱くなっていき、解離が起きることで発生します。
低温プラズマとは、電子温度は高いが、イオンなどの温度は低い平衡の取れていないプラズマです。低くした気圧を電界や磁界をかけることで電離させて作られます。
また、ドライエッチング加工は、ポリマと呼ばれる化合物が発生します。加工物の腐食が終わることには、レジストも半分以上消えてなくなってしまうことが原因です。放置をするとIC部品などの欠陥の原因になるので除去する必要があります。
ドライエッチング加工の使用用途
ドライエッチング加工は、加工後の洗浄を必要としない、フォトレジストとの選択性が高い、精密な加工ができるという特徴があります。
フォトレジストとは、光や電子線等によって溶解性などの物性が変化する薬剤のことです。
その特徴を生かして、ウエットエッチング加工ではできないような、精密な部品を加工することができます。なので、微細な半導体回路の製造などで使用されることがほとんどです。半導体回路の製造は現在9割、ドライエッチング加工で行われています。
しかし、ドライエッチング加工の場合プラズマにより加工物がダメージを受ける場合があるため使用の際には注意が必要です。
また、ガスをプラズマ化させる必要があるため、真空の装置を用いる必要があります。そのため、液体を用いるドライエッチングよりも複雑な装置を用意しなくてはなりません。なので、ドライエッチング加工の装置はウエットエッチング加工の装置の2倍以上の値段と高価なものになってしまいます。