選別機とは
選別機とは、さまざまな規格に応じて、対象物を選別する機器のことです。
人の手で選別するよりも正確であり、多くのシチュエーションで省人化が見込まれ、労働コストも抑えられる場合があります。各現場に応じた機械化の方法の1つとして、導入が進められます。
食品業界、工業製品の生産現場、リサイクル工場、医薬品の製造現場などで広く利用されており、それぞれに特化した機能を持つものが開発されています。
選別機の使用用途
選別機にはさまざまな種類があります。下記はその一例です。
1. 農業
主に農産物をサイズ、形状、色、傷などによって選別するために使用されます。規格に合わせて野菜や果物を選別することも多いです。
- 野菜: トマト、キュウリ、ジャガイモなど、様々な野菜の選別に使われます。
- 果物: りんご、みかん、ぶどうなど、果物の選別にも利用されます。
- 穀物: 米、小麦、大麦など、穀物の選別にも用いられます。
2. 工業
工業では、製造工程における製品の選別や、リサイクルのための素材の選別などに使用されます。
- 金属: 金属部品のサイズや形状の選別
- プラスチック: プラスチック製品の材質や色の選別
- リサイクル: ゴミや廃棄物の分別、リサイクル可能な素材の選別
選別機の特徴
長所
選別機の長所として”省人化”が挙げられます。人の手による選別は、生産者や労働者への負担が大きく、生産率が低下してしまうケースも多いです。
選別機を導入することで、簡単な流れ作業の選別が自動化されます。自動化によって、効率化されるだけではなく、選別以外の収穫や栽培に力を入れることが可能です。
また、機械で選別することができるため、人の手で選別するよりも、精度も高くなります。
短所
選別機の短所として、コストがかかることが挙げられます。選別機の機械はもちろん、制御装置やソフトウェアが必要になってくるため、導入コストが多くかかります。
また、機械のため、定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスをしないと、選別の精度が低下する可能性があります。
選別機の種類
様々な業界で使用される選別機には多くの種類があります。以下に挙げるのはその一例です。
3. 光センサータイプ
光センサータイプの選別機は、カメラや光による透過を利用することで、大きさや形はもちろん、収穫物の中を確認することができる選別機です。見た目だけでは判断することができない糖度や成熟度について確認できるため、高精度に収穫物を選別することができます。
また、専用のカメラを使用することで、色による選別も可能になります。
1. 色彩選別機
カメラで対象物を撮影し、その色や形状を画像処理で分析。設定された基準と比較し、不良品や異物を選別します。高精度な選別が可能で、食品業界などで広く利用されています。プラスチックの色や材質の異なるプラスチックの分別、錠剤の外観検査などでも使われます。
2. 形状選別機
空気や振動を利用して、形状や大きさの異なるものを分離します。果物、野菜の形状選別、鉱石の形状に基づいた選別やリサイクル現場では、プラスチック容器の形状による分別にも活用されます。
3. 重量選別タイプ
重量選別タイプの選別機は、重量を基準にして選別を行います。また、機械によっては重量とともに、カメラで画像処理することで、精度を高めています。
4. サイズ選別タイプ
サイズ選別タイプの選別機は、野菜や果物の収穫物の大きさによって、選別を行う場面で多く使用されています。比較的シンプルな構造をしているため、メンテナンスもしやすいです。野菜などにキズがつかないように、野菜に当たる機械のパーツには、柔らかい素材が使用されている場合が多くあります。収穫物ごとに専用のものが用意されています。
5. 密度選別機
対象物の密度差を利用して、比重の異なるものを分離します。比重がわずかに異なる物質の選別にも有効で、 鉱石の比重による選別や、比重の異なるプラスチックの分別、金属と非金属の分別などに使用されます。
6. X線選別機
X線透過率の違いを利用して、内部構造や異物を検出します。密閉された容器内の異物検出や、金属検出に優れています。包装された食品内の異物検出、電子部品の内部検査、金属やガラスの分別などに利用されます。
7. 振動選別機
振動を与えることで、粒度や形状の違いによって、対象物をふるい分けます。
選別機の選び方
選別機の選ぶ際は、作物の種類と農業規模を考慮する必要があります。
1. 選別対象物の特性を明確にする
まず、選別対象となる製品のサイズ、形状、材質、密度、表面状態などを詳細に把握します。これらの特性によって、適切な選別方法や必要な機能が異なります。例えば、小さな粒状のものを選別するのか、大きな塊状のものを選別するのか、といった点によって、使用する選別機のタイプが大きく変わってきます。
2. 選別目的を明確にする
選別機を導入する目的を明確にすることも重要です。異物除去、品質向上、分別、計量など、目的によって必要な機能が異なります。例えば、異物混入を防ぎたい場合は、X線検査機能がついた選別機が適しているでしょう。
3. 処理能力を決定する
選別したい製品の量や、時間あたりの処理量を考慮し、適切な処理能力を持つ選別機を選ぶ必要があります。処理能力が不足していると、生産ラインのボトルネックとなり、生産性が低下する可能性があります。
4. 選別精度を決定する
選別精度も重要な要素の一つです。どの程度の誤差まで許容できるか、選別基準を明確にすることで、必要な精度を持つ選別機を選ぶことができます。
5. 導入コストとランニングコストを比較検討する
選別機の導入には、初期費用だけでなく、ランニングコストもかかります。電力代、メンテナンス費用、消耗品費などを考慮し、トータルのコストを比較検討することが重要です。
6. 設置場所と環境
選別機を設置する場所の広さ、電源、温度、湿度など、設置環境も考慮する必要があります。設置場所が狭かったり、電源が不足していたりすると、選別機の設置が困難になる場合があります。
7. メーカーのサポート体制
アフターサービスや技術サポート体制も重要な要素です。機器の故障時やトラブル発生時に、迅速に対応できるメーカーを選ぶことが大切です。