孵卵器

孵卵器とは

孵卵器

孵卵器 (ふらんき) とは、卵を人工的に孵化させるための装置のことです。

孵化器やインキュベーターとも呼ばれています。生物にはそれぞれ最適な孵化温度が存在し、その温度を一定に保つことで、卵を孵化させる条件を人工的に作り出せます。

孵卵器の使用用途

孵卵器は、人工的に卵を孵化させるために使用されます。温度や湿度を一定に保つことで、卵の孵化を促進します。全自動で温度や湿度を管理してくれたり、孵化日を逆算して算出してくれたりします。

オウムなどの愛玩用動物やニワトリなどの家畜用動物などの雛生産のために使用される場合が多いです。

孵卵器の特徴

長所

孵卵器の長所として、卵の孵化に必要な温度や湿度などの環境を整えられる点が挙げられます。卵にとって、特に温度の管理は非常に重要です。最適孵化温度から数度、低くなるだけで、孵化率に大きく影響します。

中には、転卵を自動でしてくれる孵卵器もあります。転卵は、雛の胚が卵の殻の内側に貼り付かないようにするのが目的です。手作業で転卵をすると時間や手間がかかりますが、自動化することで作業の効率化につながる点が大きな長所です。

その他、卵の管理から逆算して、孵化日を算出してくれる孵化器もあります。この場合、生産日程や出荷日の計画を立てやすいことが長所です。

短所

孵卵器の短所として、機器によって温度や湿度を適切に管理できない場合があることが挙げられます。基本的に設定された温度や湿度で管理されますが、外環境や機器の特徴によっては、設定温度・湿度と実際の温度・湿度が異なるケースがあります。

前述した通り、温度・湿度は孵化率に大きく影響するため、孵卵器内の温度や湿度が設定値からどのくらい離れているか把握することが重要です。

孵卵器の種類

孵卵器には、立体孵卵器と平面孵卵器の2種類があります。種類によって特徴が異なります。

1. 立体孵卵器

立体孵卵器は、大量の羽数を孵化させるのに向いています。卵を保管する場所が複数段に分かれており、孵卵器内の温度が一定になるようにファンが付いています。また、温度を一定に保つ保温機能も備えられているのが特徴です。

2. 平面孵卵器

平面孵卵器は、少ない羽数を孵化させるのに向いています。一方で、空気を攪拌するファンがついていない場合が多く、孵卵器内の温度差が生じやすいです。

また、立体孵卵器に比べて、孵卵器内が狭いため、扉の開閉時の孵卵器内の温度・湿度変化が激しいです。温度・湿度の変化は孵化条件に大きく影響するため、平面孵卵器を使用する場合はより注意が必要となります。

孵卵器の選び方

孵卵器の選ぶ際は、機能性と対象動物の考慮することが重要です。

1. 機能性

孵卵器によって機能性が異なるため、使用したい機能が搭載されているかどうか確認する必要があります。一般的な機能は、保温機能、保湿機能、転卵機能などです。

鳥類の卵は保管環境によって、孵化日数が変化するため、搭載されている機能は孵化する条件を整える上で必要不可欠です。例えば、保管温度は、鳥類の種類に応じて変わりますが、一般的に37.5℃が最適温度とされています。

また、保管湿度は鳥類の巣の環境に近い湿度を保持する必要があります。特に、湿度に関しては、孵化予定日前や孵化後などの条件に合わせて調整することが重要です。

他に、転卵機能は卵を孵化させる上で、必須となります。孵化前の卵の中身が外殻につかないようにするために、転卵を行います。転卵をしないと、孵化率が低下したり、雛に後遺症が残ったりする可能性があります。

2. 対象動物

鳥種によって、孵卵器を選択する必要もあります。種類によって、適切な保管環境が変わるため、孵卵器の機能が保管したい卵の孵化条件を満せるか確認しましょう。

孵卵器によっては、動物種ごとに適切な環境が設定されている場合もあるので、できる限り専用孵卵器を購入することをおすすめします。

孵卵器の使い方

近年の孵卵器は卵を入れて、温度や湿度を設定し、簡単に使用することができます。また、動物の種類ごとにボタンが用意されており、ボタンを押すだけで適切な温度・湿度が設定される孵卵器もあります。

しかし、孵卵器内が適切な温度や湿度に保たれるまでに時間がかかるため、設定値に達したことを確認した上で、卵を設置するようにしましょう。

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