ブルドーザーとは
ブルドーザーとは、土砂の掘削、盛土、整地、除雪等に使用する土木作業用機械です。
強い力で大量の土砂や岩を押し動かすブルドーザーは、工事現場にはかかせない存在です。エンジンの回転とともにまわる方のギアを小さくし、それに接続して車輪を回すギアを大きくすることにより、大きなパワーを出力します。
ブルドーザーの語源は諸説あります。以前アメリカではブルドーザーの出現によって雄牛 (Bull) が居眠り (doze) するほど暇になったことから、Bulldozerと名付けられたという説が出回っていました。
しかし、実際には雄牛ではなく、馬やラバが使われることが一般的であったため、現在は「強引に推し進める」という意味のあるスラングの「Bull’s dose」が変化したものであるとする説が有力です。
ブルドーザーの使用用途
ブルドーザーは、土木、ダム、造成工事などで使用されています。竹林の伐採など、大規模な現場で使用されることが多いため、先進国よりも、整地が進んでいない発展途上国での需要が高い傾向にあります。
また、浚渫船の侵入ができない場所で施工できる水陸両用、危険がともなう災害現場では、無線遠隔作業が行えるブルドーザーなど種類はさまざまです。近年は、GPSや三次元設計を利用し、オペレーターの操作支援やブレードの自動制御が行える、ICTブルドーザーも進出していて、さらなる作業効率の向上が期待できます。
ブルドーザーの特徴
ブルドーザーの大きな特徴として、ブレードが挙げられます。ブレードの前端部分に重量をかけ、掘削、押土、整地が可能です。ブレードはアタッチメント式になっていて、用途によって変えることができます。
その他、クローラも特徴の1つです。クローラは、起動輪の周りに金属やゴム性の長い板が連結してベルト状になっており、悪路でも走行が可能です。
ブルドーザーには乾地用と湿地用があり、クローラの形状に違いがあります。湿地用の機種は、クローラの幅を広くし接地圧を下げるとともに、特殊な三角形状のシューを用いることで、軟弱な地盤でも施工を可能としています。
ブルドーザーの種類
ブルドーザーには、用途によりブレードが異なるいくつかの種類があります。またブレード以外にリッパとよばれる装置がついているものもあります。
1. ブレードによる分類
ストレートドーザ
ブレードを車体中心線に対して直角に取付けたものです。掘削力が大きく、一般の土砂掘削、押土、軟岩盤の掘削作業等に使用されます。
Uドーザ
ブレードの両側部が前方に折り曲がっているため、多くの土砂を運搬できます。
アングル・パワーアングルドーザ
ブルドーザーには、アングルまたはパワーアングルという機能が備わっている機体があります。左右どちらかに角度をつけて装着できるものをアングルドーザー、油圧により左右にブレードを傾ける機能を持っているものをパワーアングルドーザーと呼びます。掘削、埋立て、溝掘、整地など広範囲に使用可能です。
レーキドーザ
ブルドーザーのアタッチメントの1種で、大きな岩石を取り除く整地作業などに使用されます。
ツーウェイドーザ
前押しとかき寄せの作業が可能で、穀物運搬船や船内荷役作業用のブルドーザによく使われます。
2. リッパによる分類
マルチチャンクリッパ
3本爪の標準的なリッパです。岩盤の硬さによってシャンク本数を変えることができます。
ジャイアントリッパ
シャンクが1本ついているリッパです。シャンクが長いため、深掘り時に使用されます。
パラレルリンク
シャンクが1本ついているリッパです。貫入深さが変っても貫入角度を一定に保てるよう、パラレルリンク機構が搭載されています。
ヒンジ式リッパ
シンプルな構造で安価なリッパです。貫入の深さによってシャンクの角度が変わってしまうというデメリットがあるため、今はあまり使われていません。