油圧ショベルとは
油圧ショベルとは、建設工事現場でよく見かけるバケット (ショベル) がついた機械です。
土を掘ったり整地するために使用します。油圧ショベルは、ユンボ、バックホー、ショベルカーと呼ばれることも多いです。油圧ショベルの下部はキャタピラーになっている機種が多く、多少凹凸のある地面でも安定して進むことができます。また、下部にブレード (排土板) を取り付けるとさらに整地作業をしやすくなります。
油圧ショベルの運転操作はハンドルではなく、6つほどのレバーで行います。労働時に運転するには資格が必要で、バケットやアームの微妙な調節には手慣れている方と初心者で差が生じやすく、整地などをきれいに仕上げるには技が必要です。そのため、操作方法を練習するアプリなども開発されています。
最近の傾向としては、バケットに積載した重量を計測できる機種や半自動で操作が可能な機種が登場しています。また、低燃費で騒音が少ない機種が好まれる傾向があります。
油圧ショベルの使用用途
油圧ショベルは、バケット (ショベル) 部分で土を掘ったり掘った土を移動させたりすることができるため、建設現場や農作業で使用されています。ほかにも、バケット部分を別の形状に付け替えてビルや住宅といった建物の取り壊しや、産業廃棄物等の解体に使用することもあります。
バケット部分に強力な磁石がついているタイプは金属をくっつけることができるので、鉄などの回収に役立っています。油圧ショベルは、油圧で各所を動かしているため力が強いです。また、下部のキャタピラーを動かさずに運転席から上のみを旋回させ、狭い場所でも積み込み作業がしやすくなっています。
油圧ショベルの原理
油圧ショベルは、駆動する部分に作業油の配管が通っており、作業油の油圧でシリンダやモータが作動する仕組みです。まずはじめに、ディーゼルエンジンを駆動させます。エンジンからの動力が油圧ポンプを回し、作業油の油圧を上げます。
ポンプから流れてきた作業油がコントロールバルブによって作動させたい方向に流れ、油圧シリンダや油圧モータが動き、旋回したり進行したりするための動力となります。運転席には6つほどのレバーや足元のペダルがあり、その操作によって作業油の流れをコントロールし、油圧ショベルを動かします。
動かし方は複雑ではありませんが、レバーの数が多いので操作をまちがえないように注意が必要です。また、アームとバケットの位置によりてこの原理が働き、効率的に作動できる範囲が決まるので、意識をして作業すると効率が上がると言われています。
油圧ショベルの燃料には、ほとんどの機種で軽油が使用されていますが、機種によって定められたものを使用します。油圧ショベルのバケットは、幅広や狭幅、平らなタイプの法面や網目状のタイプなど用途に応じてさまざまな形状があります。付け替える際には、取り付ける油圧配管の種類を統一しなければなりません。
油圧ショベルの種類
油圧ショベルは、建設現場から農業、林業と様々な用途に応じたタイプやサイズがあります。
1. サイズによる分類
車両重量6トン以下、またはバケット容量0.25未満のものを「ミニ油圧ショベル」と呼んでいます。主に水道管工事や公園、庭など、狭い現場での掘削作業に適しています。その他は、中型油圧ショベル」や「大型油圧ショベル」などもあります。
2. 形による分類
一般的に、標準型・汎用小型機・小旋回機・後方超小旋回機の4種類に分類 されます。 標準型と比べ、車体後方の旋回半径が小さいタイプを「超小旋回機」または「後方超小旋回機」と呼ばれており、狭いエリアでの掘削に用いられます。
3. 特殊仕様による分類
油圧ショベルは、専用のアタッチメントに交換したり、車両本体から伸びる「ブーム・アーム」を特殊な仕様に交換したりすることで、粉砕、削岩、浚渫 (しゅんせつ) など様々な作業が行えるようになります。
その他にも、危険が伴う災害現場やトンネル工事での作業を可能にした遠隔操作システムの仕様機などがあります。