CNCルータとは
CNCルータとは、コンピュータによって数値制御されるルータで木材やプラスチックなどを加工する電動工具のことです。
NCルータでは数値制御は行われていましたが、数値データの入力には紙テープやパンチカードを使用していました。しかし、コンピュータの普及により数値データの生成にもコンピュータが活用されるようになり、CNCルータが登場しました。
CNCルータでは同一手順の加工の繰り返しや、複雑な形状の加工を精度高く行うことができます。現在ではNCルータとCNCルータはほぼ同義の用語とされています。CNCルータは工業製品の製造だけでなく家具の制作や模型制作、アート作品の制作など、様々な分野で活用されています。
高い精度で効率的に加工を行えるため加工業界で重要な役割を担っています。また、CAD/CAMを用いることで、事前に設計した加工データをCNCルータに取り込めるため、高精度かつ複雑な形状の加工も可能です。
CNCルータの使用用途
CNCルータはコンピュータで数値制御したルータにより木材・プラスチック材などを加工する目的で使用されます。例えば器具、試作品などの製作にCNCルータが向いています。
試作品を製作する場合、細部の条件を変えていくつも製作する場合も多いため、CNCルータによって細かく数値条件を変えることにより、試作品の製作時間を短縮可能です。2D加工だけでなく穴開け・くり抜き・ポケット加工などの3D加工もできます。
CNCルータの原理
CNCルータは数値制御の原理によって加工精度を高めたルータです。初期のNCルータは数値データを転送するために紙テープを使用していたため、数値データの転送に時間がかかっていましたが、コンピュータの普及によりCNCルータが開発されました。
CNCルータを使用する場合、加工材料 (木材・プラスチック材など) をテーブル上に置き、コンピュータ操作によって材料を加工します。コンピュータに入力する数値データは、位置座標 (x, y, z) や移動距離を入力します。典型的な形状 (円など) の場合は半径などの情報を入力することで、コンピュータが自動的に移動情報を計算します。
複雑な形状の加工をする場合、事前にCAD/CAMにより加工データを設計しておき、データをCNCルータに受け渡して材料を加工も可能です。CNCルータは高精度で迅速な加工が可能であり、木工や加工業界で広く使用されています。
CNCルータの種類
CNCルータは、加工する材料や目的によってさまざまな種類があり、主に3軸CNCルータ、4軸CNCルータ、5軸CNCルータ、レーザーCNCルータ、水jetCNCルータの5種類が存在します。材料や目的に応じて、最適なCNCルータを選択することが重要です。
1. 3軸CNCルータ
3軸CNCルータは、X、Y、Z軸の3つの軸を持ち、平面加工と立体加工の両方が可能です。主に木工や金属加工に使用され、高精度かつ迅速な加工が可能です。
2. 4軸CNCルータ
4軸CNCルータは、3軸CNCルータに加え、回転軸を1つ追加したものです。主に3D彫刻や装飾加工に使用され、複雑な形状を加工できます。
3. 5軸CNCルータ
5軸CNCルータは、4軸CNCルータに加え、傾斜軸を追加したものです。これにより、曲面の立体加工が可能となります。主に造船業や航空機産業など、大型の加工が必要な産業で使用されています。
4. レーザーCNCルータ
レーザーCNCルータは、レーザーを利用して材料を切削するタイプのCNCルータです。主に金属加工や木工に使用され、高速かつ高精度な加工が可能です。
5. 水jetCNCルータ
水jetCNCルータは、高圧水流を利用して材料を切削するタイプのCNCルータです。主に石材加工や金属加工に使用され、硬質な材料の切削に威力を発揮します。
参考文献
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010660894.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jiep1986/8/5/8_5_412/_pdf/-char/ja