RDXとは
RDX (Removable Disk Exchange) とは、取り外し可能なディスクを使用するデータバックアップシステムです。
RDXは、テープ型とディスク型の利点を併せ持っています。小型・軽量でありながら、非常に頑丈で高さ1mから落としても大丈夫なくらい物理的な衝撃に強いことが特徴です。
RDXカートリッジを専用ドライブに挿入し、USBケーブルでパソコンに接続することで、データを転送することができます。このため、外付けディスクに似た感覚での利用が可能です。
さらに、RDXはオフラインで持ち運んだり、外部で保管したりすることができるため、重要なデータをネットワーク経由でのコンピュータウイルスの攻撃から保護する役割もあります。
RDXの使用用途
RDXの主な使用用途は、中小企業やSOHO (Small Office, Home Office) におけるシステムやデータのバックアップです。中小企業や個人事業主の場合、専門の知識を持ったエンジニアがいないケースも多く、テープによるバックアップは取り扱いが難しいです。
RDXであれば比較的取り扱いが簡単なため、専門的な知識がなくても重要なデータを頑丈なRDXカートリッジにバックアップすることが可能です。また、RDXはデータの移行や転送にも有用です。
例えば、旧式のシステムから新しいシステムにデータを移行する場合には、RDXを使用してデータを取り込むことができます。また、多数の場所に分散して保存されたデータをまとめるためにもRDXを使用します。
さらに、RDXはオフサイトでのデータ保管にも適しています。データをRDXカートリッジに保存し、オフサイトの保管場所に移動することで、自然災害やデータ漏洩などのリスクからデータを守ることが可能です。
RDXの原理
RDXは、SATAもしくはUSB3.0のインターフェースを持つドライブと着脱可能なカートリッジから構成されています。カートリッジは、ハードディスクドライブもしくはSSDを内蔵し物理的な衝撃を吸収する緩衝剤を装備しています。
システムやデータをカートリッジ内のハードディスクドライブもしくはSSDへコピーすることでバックアップが可能です。バックアップ後に取り外して安全な場所に保管することで、コンピュータウイルスからの攻撃を防御できます。
また、大きなサイズのデータをバックアップする場合は、複数のカートリッジを使って対応します。
RDXの種類
1. 外付け型RDX単体ドライブ
USB3.0のインターフェースを持ち、1個のRDXカートリッジを挿入することができます。コンピュータからは外付けディスクとして取り扱うことができるので、さまざまなバックアップソフトウェアの利用が可能です。
2. 内蔵型RDX単体ドライブ
パソコンの5インチベイもしくは5.25インチベイに取り付けることができます。接続インターフェースには、USB3.0とSATAの2つのモデルが存在します。通常の内蔵ディスクとして取り扱うことができます。
3. ラックマウント型
複数のRDXカートリッジを一度に装着可能で、ラックマウントできるタイプです。コンピュータとは、10Gbネットワークで接続されます。主にサーバ向けの製品です。
RDXのその他情報
データのバックアップ方法
コンピュータのデータをバックアップする方法には、テープ型とディスク型の2つの大きな種類があります。
1. テープ型
テープ型は、カートリッジが丈夫でコストが低いという利点がありますが、順次アクセスしかできません。そのため、任意のデータを取り出すことができず、データの転送速度も遅くなります。また、テープからコンピュータに転送するのが面倒なことも欠点です。
2. ディスク型
ディスク型は、ランダムアクセスが可能な上、任意データを取り出すことができます。データの転送速度も速く、転送手順も簡単なことが利点ですが、衝撃に弱いという欠点があります。
これらの欠点を補うバックアップ方法が、RDXによるバックアップです。RDXのカートリッジには小型のHDD (ハードディスクドライブ) が内蔵されており、衝撃吸収材で覆うことで、衝撃からHDDを守ることができます。
RDXは一般的な外付けHDDと同じように利用できるため、衝撃に弱いというディスク型の欠点を補いつつ、HDDの長所を活かすことが可能です。