フローティングコネクタ

フローティングコネクタとは

フローティングコネクタとは、電子基板同士を接続する際に用いるコネクタ部品のうち、基板間にて相対的に生じるわずかな接続誤差を調整する機構を備えたコネクタの総称となります。

フローティングコネクタの使用用途

フローティングコネクタを用いることで、基板同士の取り付け位置誤差を許容できるようになるため、ロボットで基板を接続するような場面ではほぼ必ずといっていいほどフローティングコネクタが使用されます。また、基板接続の自由度が上がるだけなく、接続後の基板間の応力を逃がすこともできるため、デバイス上のストレス低減が必要な場面でも役立ちます。例えば、複数の基板同士を接続する場面や、双方の基板がベースとなる基板にリジッドに設置されていて2次元的な自由度がない場面でも多く活用されます。

フローティングコネクタの原理

コネクタにはベースとなる基板の上に、インシュレータと呼ばれるお互いに接合することで電子情報を伝達することができる部分が存在します。2つの基板をこのインシュレータを介して接合することがコネクタの役割です。さて、このコネクタのサイズは技術の進歩とともに年々小型化しており、現在では隣り合う基板間が0.5mmピッチほどの高密度で複数のインシュレータが並んでいます。これらを接合する際には、それぞれのインシュレータ間での位置ずれを公差以下に設計することが求められますが、それには非常に高い技術が必要となります。そこで、フローティングコネクタではインシュレータの立体的な取り付け公差の自由度を表現するために、バネを利用してインシュレータを宙に浮いたような構造にしています。これにより、基板間の接続時にひずみが存在する場合でも、バネ部が可動することでその位置ずれによる誤差を吸収することができます。また、接合時にずれの無い基板でも、その後のメインボードなどへの取り付け時のネジ止めの際には、ネジ穴公差の分だけ位置ずれが発生します。フローティングコネクタは構造上この間接的な位置ずれによる応力ひずみも吸収することができます。

参考文献

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