パーティクルセンサー

パーティクルセンサーとは

パーティクルセンサーとは、一定時間吸い込んだ空気中の微粒子の数をカウントする装置のことです。

主にクリーンルームで用いられています。ここでの「パーティクル」とは微粒子の異物のことであり、特に半導体製造においてこの異物は、不良発生や歩留まり低下の原因になるため管理が必要です。

似た装置にパーティクルカウンターがありますが、用途はほぼ同じです。ただし、パーティクルセンサーは連続して計測可能であるのに対して、パーティクルカウンターは連続測定が可能でないものもあります。

パーティクルカウンターのほうがパーティクルセンサーよりも計測が精度よく、装置のサイズが大きい傾向があり、空気中だけでなく液中で使用できるモデルが多いです。高性能な機種では、0.1㎛以上の微粒子の計測が可能です。

パーティクルセンサーの使用用途

パーティクルセンサーは、主にクリーンルーム内に設置して、ルーム内の清浄度のモニタリングに使用されます。具体的には、自動車塗装工程における清浄度の監視や、半導体製造工場でのクリーンルームの管理等です。

使用用途の幅は広がっており、例えば人体への影響が懸念されているPM2.5を測定するための車載用のパーティクルセンサーもあります。超小型のタイプでかなり小さい機種が人気の傾向があり、場所を取らずに済むようDINレールに設置可能なタイプや、壁掛けできる機種もあります。

パーティクルセンサーの原理

パーティクルセンサーの原理には、大きく分けて光散乱方式か、光遮蔽方式のふたつの動作原理があります。両方とも空気を吸い込むためのポンプを内蔵しており、一定速度で連続した測定を行いますが、各々のパーティクルの検出の手法が、光の散乱を用いるか、通過での減衰を用いるかで異なります。

1. 光散乱方式

光散乱方式のパーティクルセンサーでは、通常はレーザーが空気中の微粒子に当たって光が散乱する様子をフォトダイオードで検出することにより、散乱光を電気信号に変換する検出手法です。この方式では、光の散乱による電気信号の回数と強さの違いで微粒子の大きさと個数をカウントすることが可能です。

2. 光遮蔽方式

光遮蔽方式のパーティクルセンサーでは、常に光をフォトダイオードに照射し、光源とフォトダイオード間の空気中の微粒子が光を通過する際に弱まった分を電気信号で検出することで、微子の大きさと個数をカウントしています。

 

パーティクルセンサーは、測定精度の設定に注意を払う必要があります。光散乱、光遮蔽方式に共通して、もしクリーンルームの清浄度に対してパーティクルセンサーの測定精度が高すぎる場合は、測定誤差が大きくなる傾向です。

クリーンルームの清浄度管理のために所望の測定誤差内でパーティクルセンサーを用いるには、適切な測定範囲の機種を選択する必要があります。

パーティクルセンサーのその他情報

1. 粉塵計との違い

粉塵計とパーティクルセンサーやパーティクルカウンターとの最も大きな違いは、測定対象とする微粒子の濃度です。粉塵計は、通常は0.01mg/m3以上の高濃度の微粒子濃度測定を対象としており、微粒子の数量ではなく、重さで濃度評価を行っています。一方で、パーティクルセンサーやパーティクルカウンターは微粒子数で計測を定量化している違いがあります。

特にパーティクルカウンターは低濃度でクリーン度の高い環境測定に耐えられるように、単発測定が主で仕様もClass1からClass9まで細かく分かれているのに対して、粉塵計の場合は連続測定で測定可能な濃度範囲も比較的広いです。

2. ポータブル型パーティクルセンサー

昨今クリーン度を要求される環境や業界は様々であり、その計測箇所もクリーンルームのみならず多岐にわたることから、持ち運びに便利なパーティクルセンサーの需要が大きいです。

リチウムイオン電池駆動でUSBなどによりパソコンと接続しデータ解析できたり、多点モニタリングシステムへ接続可能としている機種、カメラーを搭載している機種など、ユーザーの利便性向上に向けて、各メーカーがさまざまなパーティクルセンサーの開発に取り組んでいます。

参考文献

https://www.fa.omron.co.jp/products/family/2067/
https://www.rion.co.jp/product/particle/about/about_1.html

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