電圧継電器

電圧継電器とは

電圧継電器とは、電気回路において電圧の変化を検出し、それを別の回路や機器に伝達するための装置です。

主な目的は電力システムや制御システムにおいて電圧の変動や異常を検知し、それに応じた制御や保護を行うことです。電圧継電器は通常、電気的に絶縁された回路を介して電圧を伝達します。

これにより、異なる回路間の絶縁性を確保し、電気的な安全性を高めます。特に高電圧環境などにおいて、絶縁性は非常に重要です。また、電圧継電器は高い測定精度を持ち、信頼性の高い動作を提供します。

電圧センサーや回路の設計によって、正確な電圧値を検出して動作することができます。これにより、正確な制御や保護が可能となります。

電圧継電器の使用用途

電圧継電器は、さまざまな使用用途に利用されます。主な用途は送配電や発電・変電における使用です。

1. 電力システム

電圧継電器は電力システムにおいて異常な電圧を検出した際に保護処理を行うために使用されます。過電圧や低電圧を検出することにより、電気の遮断や電力品質の監視などを行う場合が多いです。

2. 変圧器

変圧器において、適切な電圧レベルを維持するためにも使用されることが多いです。一部の変圧器は電源電圧や需要電力変動に対応するために、タップ切替器を有する場合があります。電圧継電器で電圧の変動を感知できるため、自動的に出力電圧を調整することが可能です。

3. 発電機

発電機の適切な動作と安全性を確保するために、電圧継電器が使用されることもあります。発電機の電圧変動や異常を検出し、電圧調整や回路遮断を実施することが可能です。発電機における過電圧や低電圧、逆電力の検出と遮断、同期装置の制御などが発電機における主な用途です。

電圧継電器の原理

 電圧継電器は、測定したい電圧を入力として受け取ります。入力として受け取った電圧は、計器用変圧器などを介して測定されることが多いです。

入力された電気信号は変換回路などに送られます。変換回路によって信号を増幅または変調させ、適切なレベルに変換します。これにより、信号の強度や範囲を調整することが可能です。

変換回路を経由した信号は出力回路で適切な形式に変換されます。これはアナログ信号またはデジタル信号である場合があります。アナログ信号の場合は電圧レベルとして表され、デジタル信号の場合は出力は制御信号や接点信号で発信されることが多いです。

また、電圧継電器は入力回路と出力回路の間に絶縁しているケースがあります。これにより、電気的な絶縁が実現され、安全性や回路の独立性が確保されます。絶縁材料や絶縁トランスを使用することで、回路を絶縁します。

電圧継電器の種類

電圧継電器はさまざまな種類が存在します。以下は電圧継電器の種類一例です。

1. 過電圧継電器

過電圧継電器 (英: over volt relay) は、電力システムにおいて電圧が指定された範囲を超えた場合に動作する継電器です。一定の電圧レベルを超えたときに制御信号を発生させ、通常は回路の遮断や制御装置への信号送信を行います。これにより、電力システムにおける過電圧による機器の損傷や過負荷を防止することが可能です。

2. 不足電圧継電器

不足電圧継電器 (英: Under Voltage Relay) は、電力システムにおいて電圧が指定された範囲よりも低下した場合に動作する継電器です。一定の電圧レベルを下回ったときに制御信号を発生させ、通常は回路の遮断や制御装置への信号送信を行います。これにより、電力システムにおける電圧不足による問題や機器の運転不良を防止することが可能です。

バックアップ電源の起動などに使用する場合が多いです。バックアップ電源の多くは非常用発電機を指し、非常灯も含まれます。また、インバータの不足電圧や欠相は故障に繋がるため、インバータの保護用途としても用いられます。

3. 地絡過電圧継電器

地絡過電圧継電器 (英: Over Voltage Ground Replay) は、電力システムにおいて地絡が発生した場合に動作する継電器です。地絡が発生すると正常相の対地間電圧が1.7倍程度となるため、地絡を検知することが可能です。地絡による過電圧による機器の損傷や電気事故を防止するために使用されます。

ただし、地絡過電圧のみで地絡保護を行うと、他場所の地絡によって回路が遮断される危険性があります。したがって、地絡方向継電器や地絡過電流継電器が使用されることが多いです。

参考文献
https://jinden-tool.com/

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