ミキシングバルブ

ミキシングバルブとは

ミキシングバルブ

ミキシングバルブとは、温水と水を混合させて給湯温度をフレキシブルに制御する温度調整弁です。

従来から、ガス給湯器や電気温水器などに使用されています。昨今ではオール電化住宅の普及により、省エネ性の高い通称エコキュートと呼ばれるCO2自然冷媒ヒートポンプ給湯機などに採用されています。

温水と冷水を接続するだけで、簡単に給湯が可能です。また、温水および冷水の圧力変動に対して追従性がよく、希望の適温でお湯を供給することができます。

ミキシングバルブの使用用途

ミキシングバルブは、さまざまな使用用途で利用されます。

1. シャワーの水栓

日用品として広く使用される用途としてはシャワーの温度調整です。シャワーの水栓にはミキシングバルブが使用され、冷水と温水を適切な比率で混合して快適な温度のシャワー水を供給します。

2. 水回りの水栓

家庭の水回りには広く使用されており、浴槽の水栓も用途の1つです。洗面台の水栓や洗濯機の給水口にも使用されることが多いです。温水と冷水を調整し、使いやすい温度の水に調整します。

3. 暖房システム

暖房システムにもミキシングバルブが使用されることがあります。冷水と温水を混合し、必要な温度範囲に熱水を供給します。床暖房システムやラジエーターなどで使用される場合が多いです。

4. 食品産業・塗装業

食品産業や塗装業においても、広く使用される機器です。食品産業では飲料の原料を正確に混合するために使用されるほか、調味料やソースの製造などでも利用されます。塗装業では異なる色や化合物を正確な割合で混合し、一貫性のある仕上がりにします。

ミキシングバルブの原理

ミキシングバルブは、複数の入口ポートから供給される異なる流体を制御します。冷水と温水のような異なる温度・圧力の流体が入力されることが多いです。

弁体などの内部機構を操作することで、流体の通過量や流量を制御します。ハンドルやレバーの動きによって、弁体が開閉し、流体の通過が制御されます。ミキシングバルブの場合、2つの入力箇所に弁がある場合が一般的です。

ミキシングバルブ内のミキシングチャンバーでは、異なる流体が混合されます。入口から供給された流体をチャンバー内で混合し、一定の比率で混合された流体が出口ポートから出力されます。冷水と温水などの異なる温度の流体を混合することによって所望の温度を得ることが可能です。

また、異なる圧力の流体を入力した場合でも、一定の出力圧力を維持することができます。入力ポートの圧力や流量を調整し、出力ポートで安定した圧力とします。

ミキシングバルブの選び方

ミキシングバルブを選ぶ際は、さまざまな要素を考慮することが必要です。以下はミキシングバルブの選定する際に考慮するべきポイントです。

1. 耐圧性能

耐圧性能はミキシングバルブが耐える最大圧力です。耐圧性能が高い製品は高圧流体に使用可能ですが、高価な上に接続口が大きくなる場合が多いです。使用する場面に見合った製品を選定します。

2. 材質

材質も考慮するべき要素です。一般的には耐食性や耐久性はミキシングバルブの材質に応じて決定されます。金属製の製品がほとんどです。

また、金属の中でも青銅やステンレス、鋳鉄などの種類があります。青銅は銅と錫の合金で、鋳造や加工が比較的容易でコストも低いです。ステンレスは耐食性・耐久性が高い反面コストが高く、鋳鉄は低コストな反面耐食性が低いです。

3. 耐熱温度

耐熱温度はミキシングバルブが耐える温度を指します。一般的には温水の混合を目的とする製品が多いため、90℃程度の耐熱温度の製品が大半です。仕様に合わせて選定します。

耐熱温度の他に、設定可能温度なども存在します。設定可能温度は出力として取り出すことができる温度の範囲です。その幅が広い製品が優れていますが、入力流体の温度に依存する場合が多いです。

4. 接続口径・方法

接続口径や接続方法を選定する必要があります。接続方法はフランジ接続やねじ込み接続が存在します。ねじ込み接続の製品が多いです。

また、接続口径は接続方法に応じて種類が存在します。フランジ接続の場合はミリメートル呼称されることが多く、ねじ込み接続の場合はインチ呼称されることが多いです。

参考文献
https://www.venn.co.jp/products/temperature_regulating.html
https://www.miyawaki-inc.com/hot_water/m

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