電磁アクチュエータ

電磁アクチュエータとは

電磁アクチュエータとは、電磁気の現象で生じる電気的な力を回転運動や直進運動などの機械での物理的な力に変換することができる機器のことです。

様々な分野の産業において、モーター類やソレノイドを用い、機械を動かしたり止めたりして制御するモーションコントローラに電磁アクチュエータは利用されています。

電磁アクチュエータの利用には、確かな経験に加えて、電磁界や構造や機構の解析など専門的な知識を必要とするため、電磁界などの物理面に関する原理を理解することが重要です。

電磁アクチュエータの使用用途

電磁アクチュエータのは、産業機械や医療機器、分析機械など、多方面の電気・電子機器で広く用いられています。特にモーションコントローラだけでばく、ソレノイドやモーター類として用いられるため、実に様々な業界で利用されます。

例えば、医療分野における分析機器、半導体や産業用の機器などの精密機器に使用されており、電磁アクチュエータの種類や大きさによって、用いられる用途が異なります。

電磁アクチュエータが行うことができる動きには、向きを変えずに移動させる並進運動、その場で向きを変えて運動する回転運動があります。

空気圧や油圧で動くシリンダよりも動作が早いことが特徴で、機械のモーションコントロールに利用され、動作を制御するスイッチや弁の開閉動作などに使用されます。

電磁アクチュエータの原理

電磁アクチュエータの原理は、内部のコイルに電気を流すことで生じるファラデーの法則を活用して、コイル内部の可動鉄芯(プランジャ)を磁石の力で動かすことで、電気量を物理的な動作に変換させることにあります。

その動作自体は、電磁石の原理を用いており、電磁アクチュエータの内部にあるコイルに電気を流すことで磁力が生じます。この際にコイル内部の可動鉄芯が動くため、回転運動や前後運動をします。また、磁力は電流の大きさに比例し、電流の向きによって磁力の方向が変えられます。

モーターは、電磁石の極性を変えることで持続的な回転を発生させるため、電流が流れると鉄心をコイル内部に引き込む力を生じます。その結果、電磁石が直動アクチュエータとなります。

電磁アクチュエータのその他情報

1.電磁アクチュエータとシリンダ、モーターの違い

「アクチュエータ」という言葉の意味するところは、電気的な入力信号やその他のエネルギーを物理的な運動に変換する要素を言います。よって、電磁アクチュエータという言葉のカテゴリには、各種モーター類や直線運動用のモーションコントローラなどが含まれています。

「シリンダ」も基本的には同義ですが、ただし電磁アクチュエータと呼ばずに、あえてシリンダという言葉を使用する場合には、エア (空気圧) や油圧の場合が含まれており、注意が必要です。

産業機械は、電磁アクチュエータのコスト低減に伴い、エアや油圧の制御と比較して素早くかつきめ細かい制御が可能で、省エネの観点でも優れる電磁アクチュエータ化への動きが加速しています。

2. モーションコントローラ

電磁アクチュエータが最も活用される産業機器の分野においては、アクチュエータだけなく、動きをセンシングするセンサーや実際に細かい動作を制御する各種のサーボコントロールユニットや装置間の通信システムなどをソフトウエアとセットでシステムサポートするメーカーも多数存在しています。

これらのシステムをすべて装置開発メーカーや最終セットメーカーが自前で開発可能である場合もありますが、IC (CPU) や複雑かつノウハウが不可欠な (PWM制御などの) オペレーションソフト開発をすべて自前で賄うと負担が大きい場合もあります。

特にデジタル分野の制御ソフトやそのICの分野は時代の流れとともに大きく技術が進歩しているため、流れに追従する専門部隊が必要な場合が多いです。そのためモーションコントローラを専門にサポートする業者も存在しています。

参考文献
http://www.mech.tohoku-gakuin.ac.jp/rde/contents/course/mechatronicsB/archive/MechatroBS_No12_s8.pdf
https://www.takano-net.co.jp/portal/field/actuator/
https://smt.shindengen.co.jp/product/solenoid/index.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です