クラックスケールとは
クラックスケールとは、その名称通り、RC建造物やコンクリート塀、庇などのひび割れを測定する定規である。構造物における耐震補強のための補修、修繕の目安は解離幅が0.5cm以上とされているが、ひび割れの走行が大きい場合は、このクラックスケールを用いて修繕の必要性を検討する。
他、ペン型スケールや超音波診断測定器、CTスキャンなどと組み合わせることによって、老朽の度合いを検証でき、更なる詳細な測定診断が可能になります。
クラックスケールの使用用途
使用例では、塗り壁などのモルタル収縮で起きる収縮クラックの測定、塗膜の劣化から起こるヘアークラック、構造物の不同沈下から起こる構造クラックの測定に使用されています。
巨大な貯水水槽などのRC構造物においては、水分やイオンの勾配でコンクリートのPhが狂い中性化してしまうものです。コンクリートの経年劣化は避けられませんが、決壊、崩落の恐れがあることを念頭に、このようなクラックスケールを用いて定期点検を実施しています。
クラックスケールの原理
用具の特徴として、クラックスケールの材質はプラスチック製、ステンレス、アルミ材などが多く出回っており、専門店でなくとも大抵のDIYショップで購入が可能です。安価なものでは300円位~からと手頃な価格です。
測定メモリも特徴的で0.05幅から2mm程度までの線幅が順番に印刷されています。10~15cm前後の長さで作業着ポケットにしまえるサイズのものが主流で、ステンレスなど金属スケールでは中ごろに透かし穴が開けてあるのが特徴です。
クラックを計測し警鐘する基準mmは、対象物により一概には決められません。床打ちのモルタルに1cmの幅があっても緊急補修するかは自由です。しかしマンション修繕のタイミングを考慮するとしては3mm幅でも大問題であるし、水槽ならば0.3mmでもモルタル修繕はいち早く検討したいところです。
そのような事例では、見つけたときにこまめに測定できるクラックスケールは大変利便性があるスケール用品です。