精密切断機とは
精密切断機とは、高い精度で金属を切り出すことが可能な装置のことです。
JISB1010で「といし車を用いて工作物を切断する工作機械」と定義されており、特に精密切断機ではダイヤモンドやCBNホイール (立体晶窒化ホウ素) などの硬度が高い物質をといしに使用します。摩擦面が粗くならず、バリやカエリ、ホコリのない試料片を作成することが可能です。
また、CCDカメラを搭載した機種では、モニターで切断部を拡大できます。切断面の位置をより正確に決定することが可能となり、より精度の高い切断ができます。精密切断機は、電子部品や半導体などの製造業界をはじめ、自動車や航空機、医療機器など、さまざまな産業で幅広く利用されています。
精密切断機の使用用途
精密切断機は、その名の通り、さまざまな材料を切断するために使用されます。金属やセラミックス、合成樹脂、鉱物、生物試料、電子材料など幅広い分野で活躍しており、切断面の形状観察にも役立っています。SEM (走査電子顕微鏡) やマイクロスコープなどで観察されることが一般的です。
そのほか、電子部品や半導体、自動車や航空機の部品、さらには医療機器などの製造業界でも利用されています。産業では、精密さと品質が求められるため、精密切断機の重要性はますます高まると予想されています。
精密切断機を使用する大きなメリットは、チッピング (といしの刃先が丸く欠けてしまう現象) やクラック (切断試料に細かいヒビが入ってしまう現象) を防げることです。そのため、試料の品質を維持しながら切断作業を行えます。
精密切断機の原理
精密切断機は、高い硬度の砥石を用いて、金属やセラミックス、合成樹脂、鉱物、生物試料、電子材料などさまざまな素材を緻密に切断します。切断面は、SEM (走査電子顕微鏡) やマイクロスコープなどで形状観察を行うのが一般的です。精密切断機の利用により、チッピング (といしの刃先が丸く欠ける現象) やクラック (切断試料に細かいヒビが入る現象) を防げます。
精密切断機には、乾式タイプと湿式タイプがあります。乾式タイプは、試料に対して直接切断作業を行いますが、湿式タイプでは試料とといしの間に切削液が入り込むことで、焼付きを起こさずに切断することが可能です。
砥石には、ダイヤモンドやCBNホイール (立体晶窒化ホウ素) などの高い硬度を持つ材料が使用されており、精密切断機の高い切断精度を生み出しています。また、切断過程で発生する熱や摩擦を最小限に抑えることで、切断面のバリやカエリ、ホコリが無い試料片を作成可能です。
精密切断機のその他情報
精密切断機の制御方法
精密切断機には、試料と砥石の動きによって「上下動切断」「スライド切断」「振動切断」「スキップ切断」という4つの制御方法があります。湿式タイプでは、振動によって切削液が試料と砥石の間に入り込みます。
熱に弱く加工時に変形しやすい材料や、複雑な形状、硬度の高い材料も切断可能です。切削液はクーラントや切削油とも呼ばれ、水溶性と不水溶性の2種類があります。
水溶性切削液は作業環境の掃除のしやすさや引火しにくさから使用されることが多く、水溶性切削液にはエマルジョンタイプ、ソリューブルタイプ、ケミカルソリューションタイプがあり、JISによってA1種、A2種、A3種と規定されています。
さらに、試料の硬度に応じて砥石の回転速度を変えられる砥石の可変切断や、回転速度を一定にする砥石の周速制御切断が可能です。そのため、試料の硬度や形状に合わせて最適な切断方法を選択する必要があります。
参考文献
https://www.stc-jp.co.jp/products/kishu_search/setsudan/toishi_setsudan/