霧化器とは
霧化器とは、霧状にした水を放出する装置です。
超音波や加熱により、水を霧状に変化させて空間に放出します。用途としては、空間の加湿、除菌や消臭、舞台演出などがあります。除菌や消臭用途でよく用いられるのは超音波タイプです。
旧来は加湿や除菌で用いられることが多くありましたが、最近は舞台演出にも使われています。照明が霧にあたることで輝きが増し、演出に効果的です。床への設置タイプから机におけるタイプまで、さまざまな種類があります。
霧化器の使用用途
霧化器は、空間の加湿、除菌や消臭で利用されることが多いです。舞台演出等でも利用されていますが、一般的な使用用途は以下のとおりです。
1. 空間の加湿
冬場は湿度が下がるため、空気が乾燥します。空気の乾燥は肌が荒れたり、風邪をひきやすくなる原因です。乾燥を防ぎ、快適な空間を維持するために用いられます。
2. 除菌や消臭
空気中には、菌やウイルスが存在しています。菌の繁殖は臭いの発生、ウイルスの繁殖は体調悪化につながります。除菌や消臭に対応する液剤を噴霧することで、空間全体に行きわたり効果的です。
また、霧化器はあらゆる産業分野で使用されています。発熱体の冷却から、加湿による静電気の発生を抑える目的や、水性の物質を用いる現場での乾燥防止などがあります。
霧化器の原理
液体を霧化させた後、装置から放出することで機能しています。霧化させるには超音波と加熱があり、方式によって霧化するメカニズムが異なりますが、主な方式は2つです。
1. 超音波
超音波の振動が液体に伝わることにより、霧状の物体が生成されます。生成には液体の表面張力が関わってきます。一般的に使用される振動子の周波数は2.4MHzです。この周波数を変化させることで発生する霧の粒子径を変化させることもできます。
2. 加熱式
物質の温度が高くないとき、分子は動かず固定されていますが、温度が上昇するにつれて分子運動が激しくなることを用いる方法です。沸点以上になると、分子はばらばらに動き気体になります。気化した分子は表面張力の影響で、表面積が小さくなり霧状で空間へ放出されます。
霧化器の構造
超音波方式を用いた霧化器は、液体に振動を与える振動子とそれを振動させるための発振基盤によって構成されます。効率よく霧化できるよう振動子の先には、ホーンと呼ばれるものが取り付けられているものもあります。
液面とホーンの高さを適正な関係に保つため、液面を調整するフロートとセットで用いられることが一般的です。また、空間へ霧を放出されるためのファンや液体を供給するタンクも一体化していることが多いです。
霧化器の種類
タンクが霧化器と一体化したものが多くを占めます。霧化器の大きさがタンクの大きさに依存するため、大量の液体を霧化させるには必然的に大きなサイズなる傾向にあります。
霧化させる液体の外部からポンプで供給できるようにしたものや、液体槽に直接投げ入れるタイプのものなど、目的に応じてさまざまなものを選ぶことができます。
霧化器の選び方
露化器を使用する際は、目的によって霧化能力を確認します。広い空間であればより大きな霧化能力が必要ですが、狭い空間であれば大きな能力は不要です。
短時間での連続使用が主な場合はいりませんが、長時間の使用であれば間欠機能が機能がついている方が無難です。例えば、家庭用のアロマディフューザー等であれば、寝室や書斎の小さな個室での使用になりますが、大型店舗でアロマ噴霧を行う場合にはより大きな霧化能力と液体タンクが必要になります。
露化器のその他情報
表面張力について
表面張力とは、液体と気体の境界 (界面) で、液体分子ができるだけ表面積を小さくしようとする力のことです。液体の中では分子同士の間に分子間力が働き、お互いの距離が一定に保たれています。分子が気体側に移動した状態は、分子間力が働かず不安定な状態です。不安定な状態を解消するため、できるだけ表面積を小さくする方向に力が働き粒子状に変化します。
参考文献
https://www.seiko-giken.jp/feature/about
https://ultimate-sc.jp/example/sonic/
https://www.honda-el.co.jp/product/list050_24.html
https://www.daikin.co.jp/air/life/laboratory/dry/
https://www.contact-angle.jp/contact-angle/surface-tension/
https://kids.gakken.co.jp/kagaku/kagaku110/science0607/