磁気ビーズとは
磁気ビーズとは磁性を持ったナノサイズの粒子のことです。食品やバイオ研究、医療分野で活躍しています。この磁力を用いて様々な物質の分離や精製を簡単に行うことができるのです。また、磁石を用いて磁気ビーズを動かすため、機械的な運動が必要かったり洗浄が簡単だったりするメリットもあります。また、多くの会社が磁気ビーズの開発を手がけており、その種類は様々です。均一な形状や強力な磁力、分散性や吸着性が求められます。
磁気ビーズの使用用途
磁気ビーズは様々な分野で活躍しています。例えば医療分野です。磁気ビーズを用いることで細胞や微少な細菌、たんぱくや核酸などの分離・精製ができます。代表的な応用技術は免疫沈降です。抗原の含まれる溶液に一次抗体を入れます。次にタンパク質や二次抗体を付着させた磁気ビーズを溶液に加えます。最後に外側から磁石を当てることで、磁気ビーズのみ壁面に吸着させることができます。これにより効率よく迅速に分離させることができるのです。
磁気ビーズの原理
磁気ビーズはその特性を活かして様々な分野で用いられます。ここでは、その代表的な特徴についてご紹介していきます。
- 分離・精製に役立つ点
磁気ビーズの最大の特徴はタンパク質や核酸などの分離・精製が簡単にできる点です。特定の官能基を持たせることが可能で、迅速に結合させたり取り除いたりすることができます。また、磁力を使うことで磁気ビーズのみ取り出すことができるので、高濃度の試料を精製することが可能です。 - 効率よく洗浄できる点
外部から磁石を当てることで磁気ビーズのみ取り出すことができます。洗浄作業においては、精製した物質も洗浄してしまったり不純物が残ってしまったりします。しかし磁気ビーズを使用することで高濃度の状態で生成物を取り出すことが可能で、サンプルロスを減らすことができます。さらに、強力な磁力を用いて磁気ビーズを取り除くので効率よく洗浄が可能です。一般的な洗浄よりも少ない時間で十分な洗浄ができます。
参考文献
https://www.cytivalifesciences.co.jp/technologies/immuno_precipitant/mag_sepharose.html
https://www.veritastk.co.jp/sciencelibrary/special/dynabeads-portal.html
https://ruo.mbl.co.jp/bio/support/method/immunoprecipitation.html