リバーシブルモーター

リバーシブルモーターとは

リバーシブルモーターとは、逆方向に回転することが可能なモーターです。

直流モーターや単相モーターの回転方向は、一方向のみです。ただし、リバーシブルモーターを使用することで、回転方向を切り替えることができます。

回転方向を変えられるだけでなく、回転速度やトルクも制御することが可能な場合が多いです。これにより、さまざまな応用用途や環境に適した動作を実現することが可能です。

リバーシブルモーターは、小型モーターに使用されることが多いです。ただし、一部の大型の交流モーターにも応用されるケースもあります。

リバーシブルモーターの使用用途

リバーシブルモーターは、さまざまな産業や応用分野で使用されます。以下はリバーシブルモーターの使用用途一例です。

1. 自動車

自動車はバッテリーを積んでおり、内部の制御電源は直流の場合がほとんどです。したがって、リバーシブルモーターを使用して可逆化することが多いです。

応用用途としては、自動車の電動ウィンドウや電動シートなどです。ドアロックに使用される場合もあります。

2. 工作機械

工作機械は、可逆操作が必要な場合が多いです。また、小型工作機械の場合は、単相電源のみで動作させることも少なくありません。したがって、小型工作機械にはリバーシブルモーターが利用されることも多いです。

具体的には、ベルトコンベアやクランプなどがその一例です。どちらも可逆で動作させた場面が多いため、リバーシブルモーターは重宝されます。

3. 家電製品

家電製品は、単相電源で動作する製品がほとんどです。したがって、可逆操作したい場合はリバーシブルモーターで動作させることも多いです。

高価な冷蔵庫の場合、ドアを開閉するために使用されます。リバーシブルモーターによってドアの開閉方向を変えることが可能です。

洗濯機の排水操作に利用される場合もあります。排水ポンプの回転方向を変えることで、水を排出することができます。

リバーシブルモーターの原理

交流のリバーシブルモーターは通常の誘導モーターと同様に、固定子や回転子によって構成されます。固定子は固定された巻線で構成された部品です。交流電源が接続され、回転子に誘導電流を誘起することで、電力エネルギーを回転エネルギーへと変換します。

相違点は、ブレーキが付属している点とコンデンサの切替機構が付属する点です。リバーシブルモーターにはブレーキが付属しており、瞬時に制動することが可能です。したがって、オーバーランを小さくすることが可能であり、誘導モーターよりも瞬時に正逆制御を切り替えることができます。

また、正逆制御を切り替えるために、コンデンサの接続位置を切り替える機構が付いています。単相誘導モーターは界磁位相をずらすために、コンデンサを使用します。コンデンサの接続位置を切り替えることで、回転方向を切り替えることが可能です。

リバーシブルモーターの選び方

リバーシブルモーターを選ぶ際は、以下の要素を考慮します。

1. 電源電圧

モーターを選ぶ際に最初に考慮するべき要素は、使用する電源の電圧です。モーターの仕様やデータシートで、動作に必要な電源電圧が指定されています。適切な電源電圧のモーターを選ぶことで、安定した動作と適切なパフォーマンスを得ることが可能です。

2. モーター取付角

モーターの取付角度は、モーターの取り付け位置と回転方向を指定します。モーターの取り付け位置や用途に基づいて、適切な取付角度を選ぶことが必要です。

3. 出力電力

モーターの出力電力は、モーターが実現可能な仕事量です。用途に応じて、適切な出力電力を選ぶ必要があります。

出力電力は一般的に、トルクと回転速度の組み合わせとして表されます。単位はワット(W)です。リバーシブルモーターの場合は、100W以下程度の小さい出力の場合がほとんどです。

4. シャフト形状

モーターのシャフト形状は、モーターと他の機械部品との接続方法を指定します。丸シャフト、GN歯切り、GE歯切りなどから選択するのが一般的です。

丸シャフトは円柱状で断面が丸い形状をしており、簡潔で使いやすい設計です。直径が指定され、通常は滑らかな表面仕上げとします。他の機械部品との接続にはキーウェイやプーリーなどの方法が使用されます。

GN歯切りやGE歯切りは歯車の歯切り形状の一つです。一般的に歯車との直接的な結合に使用されます。使用する減速機ギアに合わせて選定します。

リバーシブルモーターのその他情報

リバーシブルモーターの注意点

リバーシブルモーターは、時間定格が30分の場合が多いです。瞬時可逆特性向上を目的に起動トルクを大きくしているため、温度上昇が比較的大きい特徴があります。

運転サイクルによって温度上昇幅が異なり、定格30分より長く使用できる場合もあります。使用時に温度上昇が60℃を超えない範囲で使用することで、時間定格以上の時間使用できる場合があります。

参考文献
https://www.orientalmotor.co.jp/tech/reference/ac_motor02/

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