プリズムシート

プリズムシートとは

プリズムシートとは、光の屈折と反射を利用して光を特定の方向に集めたり分散させたりするためのシートです。

アクリルシートから作られており、表面に周期的な溝が掘られています。このような形状のシートに光を透過させると、一定の角度で光が屈折します。そのため光の角度を変えることが可能です。

また、溝が掘られていない側から指向性のある光を入射させると、プリズムシートを出る光は溝の形状に応じて様々な角度から放出されます。そのため、シートを透過させることで光を拡散させることも可能です。

プリズムシートの使用用途

プリズムシートは様々な用途で使用されます。以下はその一例です。

1. 電子機器

プリズムシートは携帯やテレビのディスプレイで用いられます。プリズムシートがバックライトからの光を配向し、視野角を向上させたり、明るさを均一化したりするのに使用されます。これにより、ディスプレイでの視聴をさらに快適にすることが可能です。

2. 光学機器

カメラや望遠鏡などの光学機器では、プリズムシートが光の経路を制御します。例えば、プリズムシートを使用して光を屈折させ、焦点を調整することで、画像の明るさやシャープネスを向上させることが可能です。また、スペクトル分析などの用途では、プリズムシートが光を分散することで様々な波長の光を分離するのに使用されます。

3. 太陽パネル

太陽電池パネルにプリズムシートを使用することで、光をより効率的に集めることができます。光をパネル内に反射させ、吸収される光の量を増やすことが可能です。これにより、太陽電池の出力が向上し、より多くのエネルギーを生成できるようになります。

プリズムシートの原理

プリズムシートは薄いアクリルなどの材料から作られたシートです。表面には周期的に一定の深さ・形状の溝が掘られています。このような形状のプリズムシートに光を透過させることで光の屈折が起こる仕組みです。

プリズムの溝がある側から光を当てた場合は、一定の屈折角で光が透過します。一方でプリズムの溝が掘られておらず、平面になっている側から光を当てた場合は、溝がある側から様々な角度で光が抜けてきます。その結果、光は拡散された状態になります。

このようにプリズムシートに光を入れる向きによって透過光の挙動は大きく変わるため、使用するときはシートの向きを確認する必要があります。

なお、プリズムシートはアクリル製であることが多く、有機溶媒と接触すると膨潤・溶解してしまい、本来の機能を失います。また、シートをこすったり摩擦を加えたりすると、溝の形状が変わったり、傷による光の散乱が生じる可能性があります。シート表面を素手で触れると指の皮脂によって屈折挙動が変わる可能性もあるため注意が必要です。

プリズムシートの選び方

プリズムシートを選ぶ際は、以下の要素を考慮することが必要です。

1. 材質

プリズムシートの材質は性能や使用用途に大きな影響を与えます。一般的な材質にはアクリルやポリカーボネートおよびポリエチレンテレフタレートなどがあります。耐久性や光の透過性、耐熱性、柔軟性などの要件に合わせて選択する必要があります。

2. 回折パターン

プリズムシートには様々な回折パターンがあります。回折パターンは、プリズムシートが光をどのように処理するかを決定する重要な要素です。パターンによって透過・屈折具合が異なるため、サンプルなどを確認して商品を選定する必要があります。

3. サイズ

プリズムシートのサイズは使用するデバイスや用途に合わせて選択することが重要です。サイズが小さいプリズムシートは、携帯電話やカメラなどの小型デバイスに適しています。また、大きなプリズムシートは太陽電池パネルや大型ディスプレイなどの広範な用途に使用されます。

プリズムシートのその他情報

プリズムシートを用いた写真撮影

プリズムシートは光源から射出された光の角度を変えたり、光を拡散させる効果があります。このシートは写真撮影に活用されることもあります。夜間、街中でポートレート撮影を行う場合などに有効です。

上記のような場合、街灯に照らされた被写体を綺麗に映し出しことは大切ですが、少し遊びごころを加えてカメラ手前にプリズムシートを配置してみます。すると、虹のようなスペクトルが被写体と重なって、幻想的な写真を撮影することが可能です。手軽に特殊な写真を写すことができ、非常に便利です。

参考文献
http://www.koyo-opt.jp/filename85.html
https://kurashinista.jp/articles/detail/58199

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