防音室とは
防音室とは、遮音材、制振材、吸音材により構成されます。
- 遮音材:音を跳ね返すことにより遮断する
- 制振材:音により発生した振動を抑制する
- 吸音材:音の跳ね返りによる反響騒音を防止する
防音室を設計するにあたりこの3つの要素は不可欠であり、防音室の壁、天井に使用される防音パネルはこれらの材料が組み合わさって出来ています。
また、防音室は密閉された空間であり、換気や排熱が必要です。そのため、防音室には通気口を設け、換気扇で換気を行いますが、音が漏れないようにサイレンサーダクトを取り付けます。サイレンサーダクトは、自動車のマフラーのような空気を通すが消音機能を持つものです。
防音室の種類
1. 騒音対策用防音室
ポンプや送風機、各種工作機械は非常に大きな騒音を発生します。それらの装置を防音室で囲い込むことで、騒音が流出しないようにするものです。工場や施設では、作業者に対する「騒音障害防止のためのガイドライン」があり、管理区分毎に環境測定結果を評価する必要があります。
[設計基準]
騒音発生源を単純に防音室で囲い込んでも、効果は得られません。騒音発生源の音波は多様であり、また、設置条件、換気量、発生熱量、作業性、メンテナンス性、予算、振動の影響など、全てをクリアしなくてはなりません。騒音発生源の特性を「騒音計」や「振動計」によって計測することにより捉え、必要遮音量を設定し設計をします。
2. 音響計測用防音室
各メーカーが製造、開発をするギアやモーター、スピーカーの音を測定するために防音室を使用します。騒音対策とは逆に、防音室の外の音を室内に入れないようにするためのものです。測定には騒音計などを使用します。小さな音を測定するためには、その音よりも静かな環境を作らなくてはなりません。
[設計基準]
被測定物から発生する騒音レベル、周波数毎の音圧レベルに合わせて、遮音量や吸音性能を設定します。また、被測定物からマイクロフォン受音点までの距離、被測定物の設置方法などの測定法により形状やサイズ、必要設備が変わります。