電気集塵機

電気集塵機とは

電気集塵機とは、高電圧を印可することで粉塵や微粒子を取り除く装置です。

一般的に工業環境や建設現場などで、粉塵や微粒子が発生する場所で利用されます。電気集塵機は高い集塵効率を有する装置です。微粒子や粉塵を高い集塵効率で捕捉することができます。

粉塵のほとんどを取り除くことで、作業環境の浄化と大気汚染の防止に寄与します。また、電気集塵機は小さな粒子を捕集することができる点が特徴です。サブミクロンサイズの粒子を捕集することができるため、産業に広く使用される集塵機です。

電気集塵機の使用用途

電気集塵機は産業において幅広く使用される装置です。以下は電気集塵機の使用用途一例です。

1. 火力発電所

火力発電所は、主に排気ガスの清浄化を目的に使用されます。火力発電所のボイラーでは、石油や石炭などの化石燃料を燃料とする場合が多いです。これらのボイラー排ガスには大量のばい煙が含まれています。

これらのばい煙をそのまま大気に放出した場合、健康被害などが発生します。電気集塵機を使用してばい煙を捕集することで、排ガス空気を清浄化することが可能です。

2. 鉱業

鉱山では、鉱石の破砕や粉砕などの作業によって大量の粉塵が発生します。電気集塵機は鉱山現場や鉱石処理施設で粉塵を除去し、作業環境を浄化することが可能です。

また、処理プロセスでは鉱石を溶解炉に投入します。溶解炉の排ガスには鉱石由来の粉塵が大量に発生しているため、そのまま排出することができません。電気集塵機を使用することで、ばい煙濃度を排出基準値以下として煙突から排出します。

3. 冶金および製鉄

冶金プラントや製鉄所では、溶鉱炉や高温プロセスによって粉塵が発生します。電気集塵機はこれらのプラントでの粉塵管理に欠かせない装置です。

電気集塵機の原理

電気集塵機は、微粒子を電気的な力によって集塵極に引き寄せて除去するという方法を採用しています。電気集塵機には放電極と集塵極があり、その間に高電圧をかけることでコロナ放電が生じます。

コロナ放電によって浮遊微粒子にマイナス電荷を印可します。このマイナスの電荷を持った微粒子・ダストはプラスに帯電している集塵極に引き寄せられる仕組みです。集塵極に収集された微粒子は、槌打装置やブラシ掻き落とし装置によって叩いて落とすことが多いです。

また、水やミストなどスプレーフラッシングによる洗浄で洗い流す場合もあります。電気集塵機の利点は最大99.9%まで集塵効率があり、サブミクロンサイズの粒子 (0.01マイクロメートル) も除去できる能力です。

電気集塵機の構造

電気集塵機は集塵極、放電極、本体、電源装置などの要素で構成されます。

1. 集塵極

集塵極は粉塵や微粒子を捕集するためのプレート状の部品です。通常は塩ビ製または金属製であり、複数の平面や棒状のプレートが配置されます。

これらのプレートには表面に溝や突起があり、集塵効率を向上させるための工夫が施されていることが多いです。粉塵が集塵板に衝突すると、慣性や重力の作用によって粒子が集塵板に付着して集塵されます。

2. 放電極

放電極は一般的に高電圧を印加された導電体で構成された部品です。放電極の配置によって集塵板との間に高電場を形成し、電場によって粒子に帯電が生じます。これにより、帯電した粒子は電場の影響で集塵板へ引き寄せられます。

3. 本体

本体は、集塵板と放電極を収納する機構を持つ電気集塵機の主要な部分です。堅牢な構造であり、集塵板と放電極を正確に配置するための枠組みを提供します。FRPやステンレスなどで製作されることが多いです。

4. 電源装置

電源装置は電気集塵機に高電圧を供給するための装置です。これにより、放電極に高電圧を印加することが可能です。一般的には直流の高電圧を印可するために用います。

トランスや整流器、コンデンサなどの電子部品から構成されます。電源装置は集塵機の本体に組み込まれており、必要な電圧を生成して放電極に帯電を与えことが役割です。

参考文献
http://www.suntechno-ep.com/info/
https://www.shi.co.jp/products/environment/electricity/ 

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