球面座金とは
球面座金とは、片側に平面と球面を持つ凹型と、片側に平面と凸状の球面を持つ凹凸の座金を2つを合わせて1組で用いる座金です。
球面座金は、斜めに締めこんでしまって外すことができなくなったタップやボルトの軸の角度を補正する際に用いられています。
ボルトが斜めにはまって角度が付いている場合、ボルトにかけた軸力の一部しか母材に伝わらないので、母材にかかる軸力が低下し、残りの力は隙間の摩擦力として消耗されてしまいます。
球面座金で補正できる角度は3度程度で、角度が大きすぎる場合には使用しても効果が期待できないので、できる限りボルトを締めておくことで力が消耗されてしまうことを改善できます。
球面座金の使用用途
球面座金は、斜めに角度が付いた状態で締めこんでしまったボルトやタップの軸に対して、角度を吸収して補正する目的で使用されています。
母材に球面座金の凹型の平面が接し、ボルトの上部に凸型の平面が接するように配置して使用します。この状態でボルトを締めることで、斜めに固定されたボルトの角度を軽減して、座面が浮かないようにボルトを締めることが出来ます。
ボルトから力が十分に伝わらないことで軸力が低下してしまうことに注意が必要です。
球面座金の原理
球面座金は、凹凸状の球面をそれぞれ片側に2つ1組で使用することで、ボルトと母材の間にできてしまった傾斜を軽減していき、斜めに締めてしまったボルトの締め込みを修正します。
ボルトは、傾きが大きくなると、母材と接する面積が小さくなり、陥没する原因になったり、母材に軸力が伝わらなくなってしまうことで滑ってしまう原因になったりします。
球面座金は、斜めに締めこんでしまって角度が付いたボルトと母材の間に接するように配置して、その状態でボルトを締めこむことで、ボルトを締めるにつれて、凸型の球面が凹型の球面の上で滑り込み、凸型の球面座金が、自然とボルト軸の角度と同じに補正されていき、座面が浮いてしまうことを防ぎます。
参考文献
https://rivi-manufacturing.com/how-to-spherical-surface-washer/
https://www.nabeya.co.jp/search.php?action=Detail&Key=9426