ビニールフィルムとは
ビニールフィルムとは、本来は塩化ビニル樹脂 (PVC) で作られた薄いシートです。
しかし、PVCに外観の似たポリエチレン(PE) やポリプロピレン (PP) のフィルムも、慣用的に「ビニールフィルム」と呼ばれる場合があります。安価で加工しやすく、防水性・電気絶縁性・保温性があるので様々な場面で被覆材や保護材に使えます。
ただし、薄いフィルムは酸やエーテルに腐食される場合があるので、薬品がかかる場所での長期使用は避けた方が無難です。
ビニールフィルムの使用用途
ロール状、方形シート状、袋形など様々な形状で販売されているため、用途に応じたものを選べます。安価で加工しやすく強度もあるので、以下に示すように幅広い場面で使われます。
- サンプルが乾燥しないように表面を被覆する
- 植物を栽培する際に周りを覆う
- 配線を保護する
- カーテン状にビニールフィルムを張って仕切りとする
ビニールフィルムの特徴
ビニールフィルムは、ポリ塩化ビニル (PVC) 樹脂を基材として製造されるフィルムであり、その特性により幅広い用途に使用されています。
1. 透明性と柔軟性
ビニールフィルムは非常に透明であり、内容物を視覚的に確認できるため、包装業界で広く利用されています。また、柔軟性に優れているため、曲げや折りたたみが容易であり、様々な形状に成形することが可能です。この特性により、食品や日用品、化粧品の包装に広く用いられています。
2. 耐久性と耐候性
ビニールフィルムは耐久性に優れており、機械的なストレスや摩擦に対しても強靭な性質を持っています。また、耐候性にも優れており、日光や雨などの外部の環境要因による劣化が少ないため、屋外での使用が可能です。
3. 防水性と絶縁性
ビニールフィルムは防水性に優れており、水や湿気を通さない特性があります。そのため、屋外広告や看板、屋外用家具のカバーなどに使用され、対水性が求められる用途に適しています。また、電気絶縁性も高く、電気・電子部品の保護や絶縁材料としても広く利用が可能です。
4. 高断熱性
ビニールフィルムは断熱性に優れており、保温や保冷に有効です。特に断熱効果が必要な建築用途や温度管理が重要な輸送用途に利用されます。
5. 染色性と透過性
ビニールフィルムは染色性が高く、さまざまな色に着色することができます。また、透過性にも優れており、特定の波長の光を通過させることが可能です。この特性を利用して、カラーフィルターやディスプレイ保護フィルムなどに用いられることもあります。
ビニールフィルムの種類
1. 透明ビニールフィルム
透明ビニールフィルムは、非常に透明でクリアな特性を持つフィルムです。この透明性により、包装業界で広く使用されています。
食品や日用品、化粧品などの包装によく利用されるほか、書籍や資料のカバー、ディスプレイ用の保護カバーなどにも使用されます。透明ビニールフィルムは、内容物を視覚的に確認したい場合や製品の魅力を引き立てたい場合に適応可能です。
2. 色付きビニールフィルム
色付きビニールフィルムは、透明フィルムに比べて特定の色調を持っています。商品の包装において、商品の識別やデザイン性を高めるために使用されることがあります。
特定の色を持つビニールフィルムは、ブランドのイメージや製品の個性を強調するのに効果的です。また、色付きビニールフィルムは広告や看板、装飾用途にも利用され、特定のカラーテーマを表現するのに適しています。
3. 高耐熱ビニールフィルム
高耐熱ビニールフィルムは、PVCフィルムに耐熱性を持たせたタイプのフィルムです。耐熱温度が比較的高いため、食品の加熱や加工、工業製品の製造など、高温環境での使用に適しています。
食品産業や製造業において高温環境での保護や包装が必要な場合に重宝されます。耐熱性により、フィルムが変形したり劣化したりすることなく、安定したパフォーマンスを発揮しる製品です。
4. マットビニールフィルム
マットビニールフィルムは、光沢が少なく、マットな質感を持つフィルムです。指紋や傷が目立ちにくく、視覚的な効果を重視する用途に適しています。
ディスプレイの保護フィルムや家具の表面カバーなどに使用されます。マットビニールフィルムの特性により、反射を抑えられ、視認性を向上させることが可能です。特にディスプレイや看板など、光の反射を制御したい場面で重宝されます。
5. 防水ビニールフィルム
防水ビニールフィルムは、水や湿気を通さない特性を持つフィルムです。屋外広告や看板、屋外用家具のカバー、防水カバーオールなどに使用され、対水性が求められる用途に適しています。
雨や湿気から製品や装置を保護するために使用するため、特に屋外での使用や湿度の高い環境での対策に適しています。