シュリンクトンネルとは
シュリンクトンネルとは、シュリンク包装を実施する装置です。
シュリンク包装のシュリンク (shrink) は、「縮む」という意味を持ちます。パッケージ業界では、透明なフィルムを熱処理して商品をピッタリと包装することを「シュリンク」または「シュリンク包装」と言います。
シュリンクトンネルの使用用途
シュリンクトンネルはシュリンク包装を流れ作業的に行う機械です。そのため、シュリンクトンネルは、飲料容器、調味料、缶詰、カップ麺などの包装で使用される食品業界を始め、書籍やCD等のケースや箱物や医薬品など、幅広い分野で使用されています。
シュリンクトンネルの原理
シュリンクトンネルの基本的な構成は、シュリンクフィルムをかけ溶着させる装置と熱処理をするトンネルの2つです。これに蒸気式であれば、ボイラーが付随します。
シュリンクフィルムは、巻いた状態で供給されます。シュリンクフィルムは、包装を行う商品にかけた時点で切断されます。シュリンクフィルムに印刷されたレジマークと言われる黒い目安線を感知して、切断がおこなわれる仕組みです。
また、生産ラインに直接設置されない場合は、商品の投入口が付随します。なお、シュリンク包装は、シュリンクフィルムというフィルムを加熱し、熱収縮させて包装したい商品の包装に使う技術です。
シュリンク包装機には、一つ一つ手包装を行う機械もありますが、大量生産には加熱トンネルを通してシュリンク加工をするシュリンクトンネルが使われています。
シュリンクトンネルの種類
シュリンクトンネルは加熱方式によって3種類に分けられます。また、パレット用のように大きなものをシュリンク包装できる商品も存在します。
1. 熱風式
熱風を吹き付けてフィルムを収縮するタイプです。使用するのは熱源のみなので、場所を取らず設置できます。ただし、他の方法に比べると、仕上がりムラが出やすい傾向があります。
2. 蒸気式
トンネル内に蒸気を通して、シュリンクフィルムへの加熱むらが生じないようにしたタイプです。蒸気を使うのでボイラーが必要になり、装置が大掛かりになります。
仕上がりはきれいですが、水蒸気を除去する工程が必要です。
3. 熱旋風式 (トルネード式)
近年広がってきている方法で、熱風式の装置内に気流を発生する装置を配して、熱ムラを防いだ装置です。蒸気式と遜色ない仕上がりが得られます。
シュリンクトンネルのその他情報
シュリンクトンネルの使用目的
シュリンク包装は、主に以下の目的で使用されます。
1. 商品の保護
一旦シュリンク包装を実施すると、その包装の中には異物が入りません。輸送時の虫やホコリの混入も防げますし、いたずら防止にもなります。
2. 識別性の向上
シュリンク包装は製品の大部分に施されるため、ラベルなどを貼り付けるより、大きな面積に商品情報を印刷できます。商品棚に並べたときも区別がつきやすく、識別性が向上します。
3. 多品種生産への対応
従来、包装容器は品目ごとに意匠を変更する必要がありました。その場合は、製造中止で包装材料が余ったり、逆に急な生産の前倒しで、包装材料が間に合わなかったりしました。
これでは、少量多品種の生産になればなるほど、ムダが多くなってしまいます。それに対して、シュリンク包装を採用すれば、同じ製造工程で同じ製造容器を使用してつくられた商品でも、シュリンク包装の違いで商品を区別可能です。瓶やキャップなど、包装材料が無駄にならずコスト削減につながります。
4. 包装コストの低減
シュリンク包装を使って複数の商品を1つにまとめて販売しすれば、ひとつひとつに包装コストをかけるよりも、安価に仕上がります。
シュリンク包装を使えば、包装に通常必要な糊やテープ、箱も必要なく手間もかかりません。
5. 輸送性の向上
通販サイトの中には、商品を段ボール板と共にシュリンクトンネルを通して、動かないように加工する企業があります。このシュリンク処理によって、そのまま箱に入れても破損が防げ、輸送性が向上します。
6. セット販売
違う種類の製品を組み合わせて、セット販売をする際にもシュリンク包装が使われます。文房具や果物まで、用途は多様です。
参考文献
file:///C:/Users/pukip/Downloads/Full-N-1023132308-haruta-masayuki.pdf
https://wrap.hakko.com/mametishiki/
https://www.jpml.jp/expert/knowledge/09.html
http://www.kd-sp.jp/products/index.html