車載モーター

車載モーターとは

車載モーター

車載モーターとは、車両に搭載されるモーターを言います。自動車1台に使われるモーターの数は、大衆車クラスで約50個、高級車では約130個にもなり、世界での自動車用モーターの生産台数は約30億個と推定されています。

車載モーターには直流モーターと交流モーターがあり、それぞれ適したモーターが使われます。直流モーターは軽く安価、簡単な構造で扱いやすい特徴があり、数多く車載されています。しかし電気自動車での車両の駆動には、力がある交流モーターが主流になっています。

車載モーターの使用用途

近年車両の電動化が進み、車載モーターの種類と数が多くなっています。車両の基本的な部品として、エンジンスターター、ワイパー、ウィンドウウォッシャー、ヒーターファンなどのDCモーターがあります。また、付随的な装備として、パワーウインドウ、パワーシート、エアコンのコンデンサーファンなどにDCモーターを使います。制御系では、エアコンのダンパー駆動に使うDCステッピングモータ、アンチロック・ブレーキシステム(ABS)の油圧ポンプなどのモーターもあります。

電気自動車では、大出力のACモーターが駆動用に使われます。近年電動化が進んだものとして、電動パワーブレーキの油圧ポンプ駆動用、電動パワーステアリング、電動ウォーターポンプ、及び電動可変バルブタイミング機構、エアコンの電動コンプレッサー、ドアミラーの駆動、電動ドアーなどのモーターがあります。

車載モーターの原理

DC車載モーターはブラシ整流を使うのが一般的ですが、位置制御などに使うDCステッピングモーターはブラシレスモーターであり、耐久性・制御性や騒音に有利で次第に多く使われるようになっています。

電気自動車は、駆動モーターとしてACブラシレスモーターが多く使われます。ブラシモーターと異なり、回転位置センサー、直流を交流に変換するインバーター及び制御ユニットが必要です。回転数やトルクを制御しやすく、騒音が小さい特徴があります。

ACブラシレスモーターは、ローターに永久磁石を使用し、三相交流をステーターに流してローターの回転に合わせて磁界を作ります。この時精密なローター位置の検出が必要です。永久磁石には、フェライト磁石が車載DCモーターに使われ、車両の駆動用ACモーターにはネオジム磁石が使われます。ネオジム磁石は磁力が非常に大きいが高温に弱い面があり、また希土類磁石のため高価で供給面の問題があるので、量を減らしたり、全く使わないモーターなどの開発が行われています。

新しいモーター技術として、車両の各駆動輪にモーターを組み込むインホイールモーターが開発されて実用化されています。軽量で駆動系が簡略され、車両の姿勢制御や駆動力などの面やレイアウト面で有利になります。

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