軸受ユニットとは
軸受ユニットはあるケーシングユニットに軸受を収めた部品になります。軸受はベアリングとも呼ばれています。回転軸はモーターの動力を伝達するために用いられますが、モーターと軸と回転体のみを用いていては軸を固定(支持)する手段がありません。それを解消するのが軸受です。
軸受は名前の通り軸を受けて支える役割を持っています。また軸受は主に円形をしているため、軸受自体を構造体に支持するために軸受ユニットを使用します。
軸受ユニットの使用用途
軸受ユニットは取付面や周辺構造に合わせて複数の形状をしています。代表的な軸受ユニットとしてはピロー型とフランジ型が存在します。材質はアルミ、鋳鉄、プラスチック、ステンレスなど様々な種類があります。
ピロー型軸受ユニットは軸方向に対して垂直にボルトで支持する軸受ユニットです。構造が頑丈であるため最も用いられています。
フランジ型ユニットは軸方向に対して平行に支持するユニットです。機械の側面に取り付けたり、精度を出した穴に直接入れ込む(印籠構造)ことで精度の高い位置決めを行うことができます。
軸受ユニットの原理
軸受ユニットは軸受を使用することから、穴の精度が重要になってきます。それをはめ合い公差と呼びます。はめ合いの種類によって常に隙間ができるすきまばめ、常に締め代できるしまりばめ、それぞれの許容限界寸法内に仕上げられた穴と軸とはめ合わせた中間ばめなど3種類に分類されます。
軸受にはかかる荷重の向きに対してラジアルベアリングとアキシャルベアリングに分けられます。軸の方向にかかっている荷重をアキシャル荷重とよび、軸の方向と垂直方向にかかっている荷重をラジアル荷重と呼びます。この2種の荷重によってベアリングを使い分ける必要があります。
ラジアル玉型ベアリングは転動体と軌道輪、保持器の3種類で構成されています。軌道輪は外輪と内輪があります。外輪と内輪との間に転動体が間に挟まれている構造です。
アキシャル玉型ベアリングは軸軌道盤とハウジング軌道盤、転動体、保持器で構成されます。軸軌道盤とハウジング軌道盤はそれぞれラジアル玉型ベアリングの内輪、外輪に相当します。ちなみにアキシャル玉型ベアリングは減速装置や旋盤で用いられています。
軸受ユニットにおけるスラスト軸受について
軸受には軸を支える力と軸方向に対する力が発生しています。前者の力がラジアル荷重と呼ばれており、後者の力がアキシアル荷重と呼ばれています。
アキシアル荷重は、別名としてスラスト荷重という名称があります。
深溝玉軸受は、一般的に多く使用されているベアリングです。そして、軸を支える力と軸方向に対する両端の力を支えることができます。だが、軸方向に対する負荷がより増す場合は、アンギュラ玉軸受が選定されます。なぜならば、深溝玉軸受のように軸を支える力と軸方向の力の両方を支えられ、高回転に強く複数のアンギュラ玉軸受を組み合わせることができるからです。
上記のように軸受は、種類によって許容される荷重に違いがあり、スラスト軸受とはアキシアル荷重を支えることに重点を置いた軸受の総称です。
軸受ユニットの使い方
まず、取付面の平坦度や剛性を確認します。軸受箱を取付けた際に取付面が平面でないと軸ズレなどによってベアリングが偏摩耗したり接続機器の故障に繋がる可能性があるためです。
取付箇所に剛性がない場合にはユニットの脱落や稼働機材の故障が生じる可能性があります。さらに、軸受箱を取付けた平面と軸の中心で角度にズレが生じると軸が破損することがあります。
次に、ガタつきを確認しながら取付面にユニットを固定します。取付ける際には、メーカーの取扱説明書を確認して規定の締付けトルク値で固定します。
最後に、軸を挿入すれば軸受けユニットが使用できます。
軸受ユニットの種類によっては軸の周囲に潤滑剤が必要です。
軸受ユニットは、軸の固定方式や付属品が種類によって異なります。例として軸受には止めネジ式やテーパー式、偏心カラー式などの種類があります。よって、使用するユニットごとに取付け手順を確認することが大切になります。
参考文献
https://www.asahiseiko.co.jp/product/bearings/series.html
https://koyo.jtekt.co.jp/products/type/angular-ball-bearing/
https://www.ntn.co.jp/japan/products/rollingbearing/radial_ball.html
https://www.nisshinkoki.jp/1657/
https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure-sys/machine-elements/bearing/strength.jsp
https://koyo.jtekt.co.jp/2019/02/column01-04.html
https://koyo.jtekt.co.jp/products/type/angular-ball-bearing/