曲尺

曲尺とは

曲尺

曲尺(かねじゃく)とは、直角に折れ曲がった形状をした、長手方向と短手方向の直線の物差しが正確に直角に交わって接続されている物差しのことです。金属製のものが多く、木材や鋼材の一辺の長さを測定したり、その金属のたわみや鋼性を利用して正確な直線や曲線を引いたりするために使います。

曲尺は別名で、かねざしやまがりがねなどとも呼ばれています。ちなみに、和裁用の物差しである鯨尺の8寸が、曲尺の1尺に当たります。

曲尺の使用用途

曲尺は、その構造上、建材等を日々扱う大工や建築士などの職人が主に用いる工具です。木材や鋼材は丸形のものも多く、その断面の測定から簡便に取得可能な一辺の長さの直方体の角材の柱を計測したり、大工作業の高度な計測の目的で使用されています。

実は曲尺の歴史は非常に古く、中国では漢の時代から、日本でも平安時代からすでに曲尺は広く用いられていたといわれており、江戸時代には大工職にかかわる曲尺関連の書物も出版がなされています。

曲尺の原理

曲尺の原理ですが、一般に表側にはメートル法のミリ単位の目盛りが記載されており、裏側にはこの表側の目盛りの数字に2の平方根(ルート)をかけた数字と円周率で割った数字が記載されています。前者の数を角目、後者の数を丸目と呼ぶことがあります。

真鍮(黄銅)やステンレス、および銅などの金属製が多い曲尺ですが、上記の目盛りは通常は直角の長手方向と短手方向の物差しの双方についています。

使い方の一例として、例えば丸太の直径に曲尺を当てると、そこから取得できる角材の1辺の長さや、その丸太の円周の長さが一目でわかる仕組みになっています。ただ、正確に円ではない、丸太の直径を判断するのは容易ではありません。よって曲尺を用いて円周角の定義から、曲尺の直角の箇所を丸太の円周にあて、長手方向と短手方向が丸太の円周と交差する箇所に印をつけて結ぶとその線は丸太の直径に相当します。さらにこの操作を繰り返すことで、正確に円ではない丸太のおよその中心がわかります。

直角を計測する上記の目的以外の、他の高度な使い方として、相似三角形の平方根の数字の関係を巧みに使い、直角で無い角度をもつ屋根の傾斜と柱での適した組み合わせの長さを求めるためにも、曲尺は使われています。

なお、建築士や大工などの職業に就いている方は、寸法精度が高く保証されているJIS規格に適合された製品を選ぶとよいでしょう。

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