押しボタンスイッチ

押しボタンスイッチとは

押しボタンスイッチ

押しボタンスイッチとは、人の操作により電気接点を開閉するスイッチです。

人が指で押し込むことで、接点の開閉が変化する部品を指します。

押しボタンスイッチの使用用途

押しボタンスイッチは、日用品から産業機械まで幅広く用いられ、日常生活でも多く目にする機会があります。具体的な使用用途は、以下の通りです。

  • ゲーム機のコントローラ
  • 排水用ポンプの運転スイッチ
  • 給湯器の運転・停止スイッチ
  • テレビ用リモコンの各種ボタン

押しボタンスイッチの原理

押しボタンスイッチは、ボタン、ケース、接点などで構成されます。

1. ボタン

ボタンは、人が押し込む部分です。一般的には着色した樹脂材料などが用いられ、電気回路と絶縁すると同時に機能を色別しています。JIS基準では赤色のボタンは停止指令、緑色のボタンは運転指令に使用することが推奨されています。

2. ケース

ケースは、押ボタンや電気回路を保持するための外装部分です。内部機構を外から保護しつつ支持し、人が電気回路を容易に触れないようにしています。したがって、樹脂やゴムなどの絶縁材料で構成されます。

3. 接点

接点は、押ボタンでの操作を電気接点へ変換する部分です。ばねや金属片で構成されます。ばねはボタン部分が押された後、元に戻るように抑えています。金属片は固定接点と可動接点などで構成され、電気信号を導通・遮断しています。

押しボタンスイッチの種類

押しボタンスイッチは機能的分類としてオルタネイト型とモーメンタリ型の2種類があります。

前者はボタンを押し込んでいる間のみスイッチが作動し、指を離した瞬間に同時にスイッチが解除されるスイッチです。後者はボタンを押すと作動し、以降もう一度ボタンを押すまで作動し続けるスイッチです。

1. オルタネイト型

英語でalternateは、「交替の」という意味です。押ボタンスイッチでは、押すごとに状態が交替するスイッチを指します。機能選択などのボタンは状態を保持してほしいため、オルタネイト型を使用します。モニタの主電源や懐中電灯の電源などがその一例です。

2. モーメンタリ型

英語でmomentaryは、「瞬間的な」という意味です。押ボタンスイッチでは、押している間のみ作動するスイッチを指します。繊細な動作をさせたい場合や、1回の動作に対して一度のみ押す場合に用いられます。テレビゲームのコントローラがその一例です。

 

その他にも、さまざまな種類があり、設備の仕様に合わせて選択します。人が頻繁に通る場所などでは、誤操作防止のためにカバー付きやガード付きが多く使用されます。

ランプ付きの押しボタンスイッチも販売されており、電源を供給してランプを点灯させることが可能です。照光式押ボタンスイッチと呼ばれます。「ON」「OFF」の状態がランプの点灯で分かるようになっています。

押しボタンスイッチのその他情報

1. 押しボタンスイッチの配線方法

押しボタンスイッチの配線方法は各メーカーさまざまな種類が販売されていますが、代表的なものにはんだ付け、ねじ端子、バネ端子があります。はんだ付けタイプは、端子にはんだで配線を接続するタイプです。一般的に接続部とボタン部が分割可能で、ボタン部のみの交換ができます。

ねじ端子タイプは、配線にY端子や丸端子などの圧着端子を圧着し、押しボタンスイッチの接続部にねじで固定するタイプです。バネ端子タイプは配線をバネで挟み込んで固定するタイプです。圧着端子が不要で配線作業が容易に行えます。ただし、端子部に棒端子をする場合もあります。

2. 押しボタンスイッチの接点

押しボタンスイッチの接点には、a、b、c接点という3種類が存在します。a接点とは、ボタンを押し込んだ際に導通する接点です。通常時はスイッチが開放状態となり、回路上に電流が流れません。通常時は解放という意味で、ノーマルオープン (NO) 接点とも呼ばれます。

b接点とは、ボタンを押し込んだ際に開放する接点です。通常時はスイッチが導通状態で、開路に電流が流れます。通常時は導通という意味でノーマルクローズ. (NC) 接点とも呼ばれます。

c接点とは、a接点とb接点を組み合わせた3端子接点です。a端子、b端子、コモン端子の3つの端子があります。通常時はa端子は開放し、b端子とコモン端子が導通しています。スイッチを押し込んだ際はa端子とコモン端子が導通し、b端子は開放します。

参考文献
https://e-sysnet.com/bs/
https://ac-blog.panasonic.co.jp

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