寒冷紗

寒冷紗とは

寒冷紗

寒冷紗 (かんれいしゃ) とは、農作物を守るための農業用の被覆資材です。

高温によって枯れやすくなる夏の日差しから農作物を保護してくれます。防寒・防風・防虫などの効果もあり、用途・時期によって素材やサイズなどを使い分けます。

また、目的に合った色を選ばないと、期待する効果を得られません。

寒冷紗の使用用途

寒冷紗は保温や防風、遮光効果などを目的として、園芸や農作物を育てる際に使用されています。具体的な役割は季節によって異なり、初春は育苗、夏場は遮光、冬場は保温や霜防止などです。

寒冷紗の特徴

寒冷紗とよく似ている資材で不織布と防虫ネットがありますが、その違いを長所・短所に分けて解説します。

長所

寒冷紗の長所は使用できる期間が長く経済的です。不織布・防虫ネットと比べても価格も手頃で購入しやすく、使用する色によって遮光性も選べます。不織布同様、通気性に優れているので、上からでも水やりが可能で、耐久性も高く破れにくいです。

また、防虫・保温を目的としても使用できるので、寒冷紗・不織布・防虫ネットのどれか1枚を選ぶというのなら寒冷紗が多くの用途に使えます。

短所

寒冷紗の短所としては多用途に使用できるがゆえに、十分にその効果を得られないことがあります。たとえば、保温効果は不織布の方が高いです。黒い寒冷紗は遮光率が高く、保温にあまり適していません。

また、防虫効果に関しても目が細かいものや、虫が嫌う光を反射する色が使われている製品もありますが、防虫ネットの方が防虫効果を期待できます。そのため、不織布や防虫ネットも併用し、何層にも使用すると寒冷紗の短所を改善できます。

寒冷紗の種類

寒冷紗は以下の観点から、分類することができます。

1. 素材による分類

寒冷紗の素材のほとんどが、ポリエチレンなどの化学繊維・綿・麻が使われています。ポリエチレンは低価格で製造できるため、大量に消費される寒冷紗の素材には最適です。

綿や麻は荒さがさまざまで、化学繊維ほど遮光・防霜・防風などの保護効果はありません。しかし、天然素材で優れた通気性を有するため、覆ったままでも、そのまま水やりを行うことが可能といった利点があります。

2. サイズによる分類

家庭菜園用の商品は、長さ5mもしくは10m、幅1.35mもしくは1.8mで販売されている場合が多いです。寒冷紗はトンネル掛けで使用しますが、畝の長さに対して1.5から2倍くらいの寒冷紗を用意します。少しでもすき間が空いてしまうと虫が入ってしまい、食害の原因になってしまうためです。

3. 色による分類

寒冷紗は白色や黒・透明といったさまざまな色があり、目的に応じた色を選択する必要があります。たとえば、白色は遮光率が20%と低めで、保温効果と凍霜害の防止が求められるような冬場に使用されることが多いです。

一方で、黒色タイプは遮光率が50%と高く、夏場の遮光・遮熱・乾燥防止を目的として使用されています。遮光率が高いものを使用すると水の蒸発や日光から防いでくれますが、湿度が高くなり根腐れの原因にもなります。そのため、使用する時期や目的によって色を選ぶことが大切です。

寒冷紗のその他情報

1. 寒冷紗の使い方

誤った方法で寒冷紗を使うと、期待通りの効果を得られません。特にすき間は虫の侵入を許してしまい、食害の原因になります。そのため、正しい方法で使用することが重要で。

  1. 寒冷紗をかける畝にアーチ支柱を40~50㎝の間隔で設置する。
  2. 寒冷紗をアーチ支柱の上にかける。
  3. 風で飛ばされないようにアーチ支柱にクリップ・土にアンカーピンで固定する。

2. 寒冷紗と不織布の違い

寒冷紗は前述した通り、日よけ・防寒・防風・防虫などを目的にしています。それに対し、不織布は保温を目的として使う場合がほとんどで、使用時期は冬越し時や夏野菜の苗植え時です。

そのため、使い方によっては寒冷紗の代用になる場合もあります。そのほか、防虫ネットは防虫のみを目的にしており、それぞれの用途によって使用時期や使用方法が異なります。

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