BGAリボールとは
BGAリボールとは、BGAと呼ばれる半導体パッケージに使用される半田ボールを再生するサービスです。
BGAはBall Grid Arrayの略であり、半導体パッケージの一種です。金属ピンの代わりに裏面に格子状に並んだ半田ボールを電極として使用します。パソコンのCPUなど、高性能な電子部品に広く採用されます。しかし、熱による膨張と収縮を繰り返すと、基板と半導体の間にある半田ボールに亀裂が生じ、接触不良を起こします。
BGAリボールを活用することで接触不良を起こしたBGA部品を、専用の加熱装置を用いて基板から取り外します。取り外した部品の裏面に残っている古い半田をすべて除去し、新しい半田ボールを精密に配置します。高価な半導体部品を廃棄せずに再利用できるため、コスト削減と廃棄物削減に寄与します。
BGAリボールの用途
BGAリボールは以下のような用途で活用します。
1. 電子基板の修理・再生
パソコンのマザーボードやゲーム機のグラフィックボードなど、高価な部品が搭載された基板の修理にBGAリボールが活用されます。基板ごと交換すると高額な費用がかかりますが、不具合のあるBGA部品のみを再実装することで、安価に機能を回復させます。特に、交換用部品の入手が困難な製品において、既存の部品を活かすリボールは有効な手段です。
2. 産業用機器の延命
製造現場で使用される産業用機械や制御機器は、長期間にわたり稼働し続ける必要があります。しかし、故障が発生した時点でメーカーの保守期間が終了しており、交換用の基板や部品が市場に存在しない場合があります。このような状況下でも、BGAリボールを活用して延命できる場合があります。
3. 製品製造
電子機器の製造工程において、BGA部品の実装ミスが発生した際の手直しにも利用されます。実装の不良が見つかった場合、その部品を廃棄するのは大きな損失です。そこで、不具合のある部品を取り外し、BGAリボールを行って正しい状態に戻してから再実装します。また、新しい製品の開発段階においても、BGA部品の移植や解析のためにリボール技術が活用されます。