防爆タブレットとは
防爆タブレットとは、可燃性ガスや粉塵が存在する危険場所でも安全に使用できるように設計されたタブレット端末です。
石油化学プラントや化学薬品工場などは、わずかな電気火花が爆発事故を引き起こすリスクがあります。一般的なタブレット端末は内部回路で火花が発生する可能性があるため、こうしたエリアへの持ち込みが厳しく制限されてきました。防爆タブレットはこれらの課題を解決するために設計された端末です。
具体的には、発生する電気エネルギーを周囲の可燃性ガスに点火するレベル以下に抑える設計が施されます。あるいは、容器内部で爆発が起きても外部のガスに引火しない構造が採用される場合もあります。単に衝撃や水に強い高耐久タブレットとは異なり、危険場所で使用できる公的な認証を有する点が特徴です。
防爆タブレットの使用用途
防爆タブレットは以下のような用途で使用します。
1. 設備保全・点検業務
化学プラントやエネルギー施設では、計器や配管の点検を日常的に実施します。従来、作業員は大量の紙のチェックリストや手順書を現場に持ち込み、手書きで記録を行っていました。防爆タブレットを導入することで、これらの資料を全て電子データとして端末内に格納して対応できます。現場で入力した点検結果は即座にデータベースへ送信されるため、転機や報告書作成に掛かる工数を削減します。
2. 遠隔支援
熟練技術者の不足が課題となる中、防爆タブレットのカメラ機能と通信機能を活用した遠隔支援は重要な用途の一つです。現場作業員が判断に迷う事象やトラブルに遭遇した際、映像をリアルタイムで遠隔地の専門家と共有できます。音声による指示だけでなく、画面上の映像に矢印や指示内容を重ね合わせて表示することで、直感的かつ的確に指示を出せます。
3. 在庫管理・物流追跡
可燃性粉体を取り扱う倉庫など、爆発の危険がある物流エリアでの在庫管理に利用します。防爆タブレットに搭載されたバーコードリーダーやRFIDタグの読み取り機能を活用し、検品や棚卸し作業を行います。手書きの伝票で発生しがちな転記ミスを防止し、在庫データを正確に管理システムへ反映できます。