パワースイッチ

パワースイッチとは

パワースイッチとは、電源または接地から負荷への電気接続を提供する切り替え素子(デバイス)を言います。

大きくは、Si基板のMOSFET等を用いた電子回路で構成されるICタイプや、機械式の接点スイッチ用いたタイプに分かれます。

パワースイッチという言葉の範囲は広く、シンプルな構造ながらも多種多様な機械式のロードスイッチから、パワーマネジメントICで用いられるスマートパワースイッチまで、その用途に応じて実にさまざまなスイッチがあります。

パワースイッチの使用用途

ここでは、機械式のロードスイッチの用途に関して述べます。

機械式のスイッチの場合、主に人が触って操作するスイッチ用途に使われます。具体的には工作機械や産業用ロボット、家電製品や照明機器、自動車、パソコンなどの日常の身近な機器や産業界の機械を操作する上で、なくてはならない部品です。

スイッチ構造も実に多様であり、押しボタン式のものから、トグルタイプ、スライド型、シーソースイッチ、リードスイッチ、回転式スイッチ、タクタイル型など様々です。この中でもトグルタイプや回転式スイッチはパワーのON/OFFのみならず、回路やパワーレベルを切り替える用途を兼ねて用いられます。なおタクタイル型はパソコンのキーボード用途で主に用いられています。

パワースイッチの原理

パワースイッチは、ICの場合はMOSFETなどのトランジスタのON/OFFで、機械式スイッチでは電気回路の接続の接点を、人の操作で物理的に切り替えることが基本の原理です。電極の接点の動きに合わせて、固定接点に接触したり、離れたりすることで電源回路をON/OFFします。

スイッチの専門用語に、投(throw)極(Pole)があります。前者はスイッチが制御可能な制御経路数、後者はスイッチが同時に制御できる回路数です。例えば2極双投型の場合、Double Poles Double Throws、略してDPDTスイッチと呼びます。最も単純なスイッチ形式はSPSTになります。

押しボタン式の場合にはノーマリーOPENとノーマリーCLOSEの使い分けが重要です。スイッチを押し込んだ場合にCLOSEになるかOPENになるかの違いです。

パワースイッチの場合、その最大定格の仕様には特に注意が必要です。スイッチには微小ながらも接触抵抗は存在しますので、ON時に定格を超えた電流が流れると接点の金属が発熱により、溶融してしまう場合があります。また電圧の場合は特にOFF時に耐電圧を超えた過電圧が印加されると、アーク放電などでスイッチに損傷が入る危険があります。またスイッチの回路的な負荷条件での過渡現象や用いるスイッチの大きさによっても、その考慮すべき条件は変わってきます。

このようにパワースイッチへの電流と電圧は異なる目的で各々その定格仕様が規定されており、最大定格を考慮するにあたりバイアスが直流なのか、交流なのか、負荷条件などにも気を付ける必要があります。

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