樹脂プレート

樹脂プレートとは

樹脂プレートとは、ポリカーボネートや塩化ビニルなどの合成樹脂を板状に成形したものです。

材料の種類や配合、形状、色調によって、多種多様な機能を発現します。樹脂プレートは、ディスプレーやショーケースなど日常で目にする用途をはじめ、建築資材や畜舎用資材、半導体製造用装置に至るまで非常に幅広い用途に用いられています。

樹脂プレートの使用用途

樹脂プレートは、日常生活でも目にする一般的な用途から、建築、畜産、半導体製造装置などの産業用途まで幅広く使われています。代表的な使用用途は、以下のとおりです。

1. ポリカーボネート樹脂プレート

ポリカーボネートプレートは、数ある樹脂プレートの中でも耐衝撃性や機械的強度に秀でた特徴を持ちます。屋外で使用するのに必要な耐候性にも優れており、自己消化性も持つことから、カーポートや波板、屋根材などの建築資材に用いられています。耐衝撃性を活かし、防弾ガラスにも使われています。

2. 塩化ビニル樹脂プレート

塩化ビニルプレートは、古くから使われている歴史のある樹脂プレートです。強度が優れているのに加え、加工も容易であるため文房具やディスプレイなど、多彩な分野で使われています。また、樹脂配合の種類が豊富で高い耐薬品性や難燃性を付与することができることから、半導体製造装置にも用いられています。

3. ポリエチレンテレフタレート樹脂プレート

ポリエチレンテレフタレート樹脂はPET樹脂とも呼ばれ、日常でよく目にするPETボトルの原料です。この樹脂を成形したプレートは比較的価格が安く、加工が容易という特長を持ちます。また、完全燃焼した場合、有害ガスが発生せず二酸化炭素と水に分解されるのも利点です。

4. ABS樹脂プレート

ABS樹脂は、アクリロニトリルブタジエンスチレンの共重合体で耐薬品性に優れています。それを成形したプレートは塗装が可能なため、電気機器や自動車部品として活用されています。

5. フェノール樹脂プレート

フェノール樹脂プレートの大半は、木質材に樹脂を含侵させた後に真空条件下で加熱し成形されます。比較的高価ではありますが、その絶縁性と強度を活かし、変圧器や配電盤用の板材として用いられています。

6. メラミン樹脂プレート

メラミン樹脂プレートは家具やキッチンなどの化粧板として良く使われます。紙にメラミン樹脂を含侵させて加熱して成形します。耐熱性が高く傷つきにくい特徴を持つことから化粧プレートの代名詞とも呼ばれています。

樹脂プレートの特徴

樹脂プレートは、使われる樹脂の種類によって大きく2つに分類されます。1つ目は熱可塑性樹脂プレートで、加熱により柔らかくなる性質の材料を成形したものです。

もう1つは熱硬化性樹脂プレートで、こちらは熱を加えると固くなる性質の樹脂を成形したものです。それぞれ特徴が異なるため、用途を考慮した上で適切な方を選択する必要があります。

1. 熱可塑性樹脂プレート

熱可塑性樹脂は、樹脂それぞれが溶融する温度まで加熱すると柔らかくなり流動化し、冷却すると硬化する特性を持ちます。熱で柔らかくなると聞くと耐熱性が低いと思われるかもしれませんが、その反面、熱で複雑な形状に加工することが可能です。

製造工程で発生した端材や一般流通の後に回収した材料をリサイクルできるなどの利点も有しています。代表的な熱可塑性樹脂プレートとして、ポリカーボネート、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂プレートなどが挙げられます。

2. 熱硬化性樹脂プレート

熱硬化性樹脂は、樹脂あるいは硬化剤が架橋反応を開始する温度まで加熱すると固くなる特性を持ちます。一回硬化すると、再度熱を加えたとしても軟化することはありません。代表的な熱硬化性樹脂プレートとして、フェノール樹脂、メラミン樹脂プレートなどが挙げられます。

樹脂プレートのその他情報

1. 樹脂プレートの成形方法

樹脂プレートの成形する際は、各樹脂の特性に適した方法を選択する必要があります。例えば、ポリカーボネートや塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂の場合、押出成形が良く用いられます。

押出成形とは、押出機の中に樹脂を投入し、加熱しながら混錬することで溶融状態にした後、冷却ロールで冷やしながら厚みなど品質を整える成形法です。

一方、フェノールやメラミン樹脂などの熱硬化性樹脂の場合、プレス成型が良く用いられます。プレス成型では、木質材料は紙に硬化する前の液状の樹脂と硬化剤を含侵させ、プレス機で熱と圧力をかけて硬化させる成型法です。

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