ハーネス設計

ハーネス設計とは

ハーネス設計とは、複数の電線やコネクタを束ねた電線集合体であるワイヤーハーネスを設計する工程や作業のことです。

ハーネスは機器の内部や外部の電気的な接続を担う要素であり、その設計品質は製品の性能や信頼性にも影響します。設計段階では、電流容量や電圧、配線経路、耐熱性、ノイズ対策などの条件を考慮して最適な構成を決定します。また、製造性やメンテナンス性を向上するためには、取り回しのしやすさや誤接続防止の構造設計も重要です。さらに、振動や熱による劣化を防ぐために、被覆材や固定具の選定も設計段階で検討する必要があります。

ハーネス設計は、機構設計や筐体設計などと密接に連携し、機器全体の信頼性と保守性を支える重要な設計業務です。

ハーネス設計の用途

ハーネス設計は、以下のような業界で使用されています。

  • 自動車業界
  • 電機業界
  • 航空・宇宙業界

1. 自動車業界

ハーネス設計は、自動車の電装システムの設計には欠かせません。エンジンやセンサー、照明などの多数のシステムをつなぐために複雑な配線設計が必要です。車両構造やエンジンルームの温度条件を考慮して配線経路を最適化し、シールドを用いてノイズ干渉を対策します。さらに、軽量化のために線径や素材を選定し、省スペース化と整備性の両立も図ります。

2. 電機業界

電機業界におけるハーネス設計は、家電製品や電子機器の内部配線を最適化し、安全で信頼性の高い電気接続を実現するために行われます。限られたスペースに配線を配置するため、熱発生やノイズ干渉を考慮した設計が必要です。また、製品の組立効率を高めるために、ハーネスの取り付け手順や固定具の形状も考慮する必要があります。

3. 航空・宇宙業界

航空・宇宙業界では、厳しい環境下で信頼性の高い電気的な制御を行う必要があります。よって、高品質なハーネス設計を行うことは、宇宙空間で信頼性を確保するために重要です。航空・宇宙産業では、温度や振動などの環境条件に耐える材料と構造としながら、軽量化と安全性を両立させなければなりません。