ポータブル蓄電池

ポータブル蓄電池とは

ポータブル蓄電池とは、法人や自治体、各種施設などで電力を一時的に蓄え、必要に応じて供給するための製品です。

商用電源の停電や災害時など、電源の確保が困難な環境下でも安定した電力供給を可能にすることから、防災備蓄用の電源として、多くの企業や自治体で導入が進められています。

リチウムイオン電池を中心に、安全機構や過充電の防止システムを備えた製品が主流であり、長寿命化や急速充電への対応も進んでいます。そのため持ち運び可能な構造ながらも、高出力・大容量モデルが多く、通信機器・医療機器・照明設備など、重要な機器の稼働を支えることが可能です。

環境への負荷低減の観点からも、非常用の発電機に代わる静音・クリーンな電源として注目されています。カーボンニュートラル推進の一助となる製品です。

ポータブル蓄電池の使用用途

ポータブル蓄電池は、防災備蓄・産業現場・法人利用など、電源確保とエネルギー運用の効率化を目的として多様な場面で使用されます。

1. 防災・緊急時対応

災害時の停電や通信障害が発生した際に、照明・通信機器・医療機器などへの電力供給の手段として利用されます。可搬型で設置場所を選ばず、避難所や自治体施設などでの非常電源として有効です。ガソリン式発電機に比べて騒音や排気がないため、屋内でも安全に使用できます。

2. 建設・産業現場での利用

電源インフラが整っていない建設現場や屋外作業エリアでの電動工具・測定機器・照明装置の電源として活用されます。高出力タイプでは、溶接機や空調機器の運転も可能であり、現場作業の効率化と作業環境の安定化に寄与します。

3. イベント・商業施設での運用

屋外イベントや展示会、仮設店舗などの電源の確保に利用されます。商業施設では、非常時のレジシステム稼働や冷蔵設備の維持、非常用の照明の電源としても活用され、業務継続計画 (BCP) の一環として導入が進んでいます。

4. 法人・自治体での備蓄運用

企業や自治体では、災害発生時の電源確保や帰宅困難者の支援を目的として、防災の備蓄品としての導入が進められています。再生可能エネルギー設備と組み合わせた自立電源システムとしても利用され、持続可能な電力の供給体制の構築に寄与しています。