ブルーレーザー溶接機

ブルーレーザー溶接機とは

ブルーレーザー溶接機とは、可視光領域の短波長レーザーを利用して高精度な溶接を行う機器です。

ブルーレーザーは、波長450nm付近の青色光を発し、従来の赤外線レーザーに比べて金属表面での吸収率が高い特徴があります。特に銅、金、アルミニウムなど高反射金属への加工に適しており、適切な条件下では表面処理なしでも効率的な溶接が可能です。短波長レーザーは光のエネルギーが集光しやすく、微細構造や薄板への加工において、熱影響を抑えながら高品質な接合を実現します。

また、発振器の安定性や出力制御精度に優れており、産業現場での連続運転に適合します。これらの特性により、高反射材の接合工程では歩留まりの向上や加工時間の短縮に寄与します。ブルーレーザー溶接機は、新世代の高付加価値製品の製造において重要な役割を担っています。

ブルーレーザー溶接機の使用用途

ブルーレーザー溶接機の主な使用用途を以下に示します。

1. 電気・電子機器分野

ブルーレーザー溶接機は、銅配線やアルミ電極など高反射金属部材の接合に適しており、基板の組立やセンサーの製造に広く活用されています。

短波長光の高い吸収効率により、微細パターンへの熱影響を最小化できるため、高密度実装や精密電子部品の信頼性向上につながります。

2. 車載分野

電動車やハイブリッド車の駆動系、バッテリー接続部材には銅やアルミが多用されます。

ブルーレーザー溶接は、導電性の確保と熱影響の低減を両立できるため、モジュールの組立や接続ターミナルの加工で採用が進んでいます。振動や熱負荷に耐える溶接品質が求められる車載用途で優れた性能を発揮します。

3. 医療機器分野

医療用センサーや小型モーター、精密計測器では、薄板金属や微細部品の接合が必要です。

ブルーレーザーの精密制御により、部品変形や過剰な熱影響を抑えつつ高い接合強度を確保でき、長期にわたる信頼性が要求される医療機器の品質維持に貢献します。

4. 光通信分野

光モジュールやコネクタ内部の金属部品の接合にブルーレーザーが用いられています。

微細な筐体内部での作業においても迅速かつ確実に加工できるため、光学性能と構造の安定性を両立させることが可能です。光通信機器の高性能化と長寿命化に寄与する重要な技術です。