ファイヤーブランケットとは
ファイヤーブランケットとは、火元に被せて消火する防災用の不燃布です。
ガラス繊維などの燃えにくい素材で作られた布状製品です。火が燃え続けるためには酸素が必要不可欠ですが、ファイヤーブランケットで火元を完全に覆って空気の供給を遮断します。これにより、火は勢いを失い、やがて消火に至る仕組みです。
消火器のように粉末や液体を噴射しないため、消火後に周囲を汚すことが少なく、後片付けが比較的簡単です。また電気製品が原因の火災など、水をかけられないケースにも有効です。ブランケット本体を火元に被せるだけで機能するため、緊急時に誰でも直感的に使用できます。ただし、一度使用すると繊維が劣化するため、再利用せずに新しい製品と交換する必要があります。
ファイヤーブランケットの使用用途
ファイヤーブランケットは以下のような用途で使用されます。
1. 一般家庭
一般家庭で最も火災が発生しやすい場所がキッチンです。特に天ぷら油の火災は、慌てて水をかけてしまうと火が拡大する危険性があります。このような油火災に対して、ファイヤーブランケットは有効な消火手段です。鍋全体をファイヤーブランケットで覆うことで、安全に火を消すことが可能です。
2. 産業
ファイヤーブランケットは、専門的な現場でも広く利用されます。例えば、建設現場や工場で行われる溶接・溶断作業では、高温の火花が周囲に飛び散ります。この火花が可燃物へ引火するのを防ぐためのスパッタシートとしてファイヤーブランケットを使用します。
3. その他
学校の理科室や企業の研究所など、教育の現場にも置かれる場合があります。またレストランの厨房など、火気を頻繁に扱う場所では万が一の火災に備えて消火器と共に常備されることが一般的です。
その他、キャンプなどのアウトドアシーンにおいても、焚き火台の下に敷いて芝生などを火炎から保護するために使用します。また火災が大きくなり避難が必要になった場合、ファイヤーブランケットを被ることで、炎や熱から体を守りながら安全な場所へ移動できます。