テーパーノズルとは
テーパーノズルとは、先端に向かって断面積が徐々に細くなる円錐状のノズルです。
テーパーノズルを通過する流体は、ノズルの断面積が小さくなるにつれて流速が増加して圧力が低下します。この原理を利用して、流体を高速で噴射したり、精密に塗布したりすることが可能です。使用する流体の種類や温度などの条件に応じて、ステンレス鋼や真鍮及びプラスチックなどの材料から選定します。
先端の角度や長さ、内径の大きさなどが異なる様々な種類のテーパーノズルが存在します。角度が急なノズルは流速を大きく高める効果があり、緩やかな角度のノズルは均一な流れを作り出すのに適しています。テーパーノズルは、流体力学に基づいた高度な機能性を単純な形状の中に備えている部品です。
テーパーノズルの使用用途
テーパーノズルは以下のような用途で使用されます。
1. 接着剤・シーリング材
工場での製造ラインや建設現場などでは、部品の接着や隙間を埋めるために接着剤・シーリング材が広く使用されます。テーパーノズルは、狙った場所に正確な量でこれらの液体を塗布するのに適しています。ノズルの先端が細くなっているため、細い線状に塗布したり、小さな点として塗布したりといった精密な作業を容易に行えます。
2. 塗料
水や塗料のような低粘度の流体を、霧状にしたり勢いよく噴射したりする場合に利用されます。ノズル内部で断面積が急激に狭まることで、液体を高速で射出可能です。スプレー塗装や農薬の散布、エンジンの燃料噴射などが代表的な例です。また高圧洗浄機のように、水の衝撃力で汚れを剥がし落とす用途でも活躍します。
3. 気体
空気や蒸気といった気体の流れを加速させ、特定の方向へ集中的に吹き付ける目的で使用されます。工場の製造ラインでは、製品に付着した水滴を気流で吹き飛ばしたり、切りくずを除去したりするエアブローガンに使用されることが多いようです。また熱を持った部品に空気を吹き付けて冷却する場合にも活用されます。さらに浮き輪やビニールプールを膨らませるためのノズルにも採用されます。