ボンドテスター

監修:千代田交易株式会社

ボンドテスターとは

ボンドテスターとは、接着・接合部の強度を評価する装置です。

半導体チップや電子部品の内部には、髪の毛より細い金線やはんだバンプなど、肉眼では識別しにくい接合点が多数存在します。接合点は製品全体の信頼性を左右するため、製造現場では強さを定量的に確認する工程が欠かせません。ボンドテスターは微小な荷重を加え、接合点がどの時点で外れるかを測定し、数値で強度を示します。

試験結果は荷重や変位のグラフとして表示され、数値だけでなく曲線の形からも接合の弱点を推定することが可能です。測定は数秒で完了し、統計処理によって不良品の早期発見や工程改善に役立ちます。非破壊条件での試験が可能な製品も販売されています。こうした特徴から、ボンドテスターは目に見えない安全性を数値に変換する重要な装置です。

ボンドテスターの使用用途

ボンドテスターは以下のような用途で使用されます。

1. 品質保証

製造業の品質保証などを目的に使用されます。製品が完成するたびに接着・接合強度をサンプリング測定し、基準値を下回ると即座にアラームを出して流出を防ぐ仕組みです。ボンドテスターは小型で自動化しやすく、搬送ロボットや画像認識と組み合わせることで数百個単位の部品を短時間で検査できます。統計的品質管理手法と合わせると、ばらつきの原因を早期に特定でき、歩留まり向上に直結します。

2. 研究・開発

新しい材料やフラックスを導入する際、適切な温度や圧力条件を決める必要があります。ボンドテスターを使えば、条件を少しずつ変えながら接着・接合強度の推移を確認することが可能です。引張り試験で得た荷重と変位の関係などから、最適な条件を即座に見つけ出すことができます。

3. 故障解析

市場で発生した不良品や耐久試験後のサンプルを分解し、故障解析も可能です。ボンドテスターで各接合を再評価すると、弱点となった層や工程を特定できます。解析結果は設計変更や工程改善にフィードバックすることができ、再発防止策に寄与します。

本記事はボンドテスターを製造・販売する千代田交易株式会社様に監修を頂きました。

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