特定小電力無線モジュールとは
特定小電力無線モジュールとは、総務省が定める「特定小電力無線局」の規格に基づき、免許や資格なしで利用できる無線通信を実現するためのモジュール製品です。
微弱の出力で利用されるもので、近距離での無線通信を可能にするために設計されているモジュールです。このモジュールでは315MHz、400MHz帯、920MHz帯などの無線を扱う製品が多く、さまざまなデータ通信に使用されています。WiFIなどに用いられる2.4GHzや5GHz帯と比べると伝送速度では劣りますが、電波到達性の高さ、消費電力が少ない、電波干渉が少ないなどのメリットがあります。また製品には電波法で定めている技術基準に適合していることを証明する「技適マーク」が付けられています。
特定小電力無線モジュールの使用用途
特定小電力無線モジュールは、様々な分野で活用されています。代表的な使用用途として以下が挙げられます。
1. IoTセンサーの無線通信
温湿度や照度、CO2濃度などのセンサーデータを無線で収集する用途に適しています。住設機器の監視、さまざまなメータの自動検針、工場やビル管理、農業分野でのセンシングネットワークに利用されています。配線不要なため設置が容易です。
2. 遠隔監視・制御システム
防災機器 (河川水位監視、土砂崩れセンサー) や設備監視 (機械の稼働状況のモニタリング) など、リアルタイムの情報収集と通知に活用されます。必要な情報だけを定期的に送信する用途に最適です。
3. 無線リモコン・無線スイッチ
工場の生産ライン制御や、電気機器のON/OFF制御など、簡単な信号伝達にも使われます。ドアの開閉、呼び出しスイッチなども使用用途の一例です。
4. 物流・在庫管理システム
RFIDタグとの連携や無線による棚卸しデータの送信など、倉庫内での無線通信にも利用されています。自動化や省人化を促進する技術の一翼を担っています。