地中梁スリーブ

監修:EPJ株式会社

地中梁スリーブとは

地中梁スリーブの原理

地中梁スリーブとは、地中梁に配管やケーブルなどを通す円形もしくは矩形の断面を持つ、筒状の空間を確保するための設備もしくは部材です。

地中梁は地下に設置される梁で、建物の荷重を基礎へ伝達する重要な構造要素です。
地中梁スリーブは、コンクリート打設前に所定の位置に設置することで、後から無理に孔を開けずに設備を導入できます。

もし地中梁スリーブを設置しないまま設備を構築する場合、硬化したコンクリートを斫って開孔部を設けなければならず、構造体を傷つけるリスクがあります。地中梁スリーブに限らず、建物全体の床・壁には事前にスリーブを計画的に配置し、必要な数や大きさを設計段階で把握しておくことが大切です。

ケーブルもしくは電線管、給排水や空調配管などの設備を円滑に通す役割を担い、また、その後のメンテナンスや設備更新もスムーズにします。施工時の手間を減らせるだけでなく、構造物全体の耐久性や維持管理の面でも大きな効果が期待できます。

地中梁スリーブの原理

図2. スリーブ入れ

地中梁スリーブの使用用途

地中梁スリーブは以下のような用途で使用されます。

1. 電気・通信

電気ケーブルや情報通信ケーブルもしくは電線管を貫通させる場合に、地中梁スリーブは有用です。電気やネットワークの配線は建物の機能維持に欠かせない要素であり、地中外壁部を貫通せざるを得ないケースが多くあります。構造物に於けるスリーブ全般、正確に配置することで、ケーブルや管路材の曲げ半径や保護材の取り付けも含めた設置が行いやすくなり、トラブルを未然に防ぐことが可能となります。

2. 給水・排水管

給排水管を通す際に役立ちます。建物内の汚水や生活排水を速やかに外部へ排出するためには、地中梁を貫通する配管を安全に確保しなければなりません。予め、コンクリート打設時にスリーブを設置しておけば、後で地中梁を傷つけずに配管を配索できるため、施工効率が大きく向上します。

3. その他配管

空調ダクトや換気設備、作業員がスムーズに移動できるようにするための人通孔など、建物の快適性や安全性を支える点においても、地中梁部に設置するスリーブは必要不可欠な設備もしくは部材となります。

地中梁スリーブの原理

図3. 地中埋設管(FEP管)接続

本記事は地中梁スリーブを製造・販売するEPJ株式会社様に監修を頂きました。

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