インレットとは
インレットとは、AC電源で駆動する電子機器にAC電源ケーブルを接続するためのコネクタのことです。
電子機器のAC電源入口となるため、インレットと呼ばれています。使用するメリットは、電子機器からAC電源ケーブルを取り外すことができるので、AC電源ケーブルの交換や電子機器の可搬性がよくなることです。
インレットを使用しない場合は、AC電源ケーブルを直接電子機器から引き出すことになります。なお、インレットの取付方法は、ネジ止めタイプ、スナップインタイプの2種類が存在します。
インレットの使用用途
インレットは、 AC電源を接続するコネクタとして電子機器のパネル部に取り付けて使用します。 AC電源ケーブルのインレットプラグを電子機器のインレットに接続し、 AC電源ケーブルのプラグを電源コンセントに接続することで、 電子機器にAC電源の供給が可能です。
インレットの原理
インレットは、2端子または3端子のメス形状のコネクタとなっており、オス形状のAC電源ケーブルのインレットプラグを挿せる構造にです。2端子のインレットは、N端子とL端子で構成されており、3端子のインレットは、N端子、L端子とアース端子で構成されています。
インレットの種類
1. 多機能インレット
ヒューズホルダやスイッチ、ノイズ対策用フィルタを組み込んだ多機能インレットも存在します。多機能インレットのメリットは、電子機器の小型化、部品点数の削減、組立工数の削減を実現できることです。
ただし、多機能インレットのコストは、単機能のインレットに比べて高くなります。
2. ヒューズホルダ付きインレット
ヒューズホルダ付きインレットは、管ヒューズタイプのヒューズが取付可能なホルダが組み込まれたインレットです。電子機器を分解しなくても、ヒューズ交換が可能となります。
ヒューズの装着とヒューズ用端子と電源用端子間の結線はされていない部品が多いので、ヒューズ装着と端子間結線は電子機器の組み立て時に実施します。
3. スイッチ付きインレット
ロックタイプのスイッチが組み込まれたインレットです。スイッチはインレットの端子と結線されているため、電子機器の組み立て時の作業は不要となります。
スイッチは1極と2極の物が存在し、1極スイッチはL端子と機器側をON/OFFし、 N端子と機器側の結線は常時接続です。2極スイッチはL端子と機器側、N端子と機器側の両方をON/OFFします。ランプが付いたタイプのスイッチもあり、スイッチのON/OFFとランプのON/OFFが連動します。
4. ノイズ対策用フィルタ付きインレット
AC電源ライン用のノイズ対策用フィルタが組み込まれたインレットです。AC電源ラインから電子機器に入るノイズを低減したり、機器からAC電源ラインに放出されるノイズを低減したりする効果があります。
ノイズ対策用フィルタが内蔵されている分、インレットの奥行きが単機能のインレットより大きくなっているため、電子機器の他部品との干渉に注意が必要です。
インレットの選び方
1. 定格電圧・定格電流・定格温度
他のコネクタ同様に、電子機器が動作する電圧・電流・温度環境に合わせてインレットの定格を選択します。必要以上に定格の大きなインレットを選択すると、インレットのサイズが大きくなったり、使用するAC電源ケーブルが太くなったりします。
2. アース端子の有無
インレットの端子数は2極と3極の2種類が存在し、アース端子が不要な場合は2極を選択します。反対に、インレットにアース端子が必要な場合は3極を選択します。
イントレットのその他情報
インレットの形状
インレットの形状は、国際規格IEC (International Electrotechnical Commission) で定められており、全部で11種類の形状があります。インレットの形状は、メガネ形状と六角形の大きく2種類が存在し、メガネ形状のインレットは外形サイズが小さいですが、 定格電流も小さくなります。
一方で、六角形のインレットは外形サイズが大きくなりますが、定格電流は大きくなります。そのため、インレットの形状に合わせて、使用するAC電源ケーブルのインレットプラグ形状を選択することが大切です。