壁繋ぎアンカー

壁繋ぎアンカー

壁繋ぎアンカーとは、建築現場で足場を建物の外壁に固定するために使用される金具の一種です。

足場は一時的な構造物であるため、自立するには限界があり、安定性の確保には建物本体との固定が必要です。壁繋ぎアンカーは建物の外壁などに固定され、「壁つなぎ」と呼ばれる部材を介して、足場と建物を繋ぐ役割を果たします。主にねじ込みや打ち込み、埋め込みなどによって、外壁や鉄骨などの建物の部材に直接固定されるものです。

壁繋ぎアンカーは、建物の構造や使用されている外壁などよって、さまざまな製品が販売されています。金属製も製品が多くありますが、樹脂製の製品もあります。建物が大きくなれば大量に使用されるため、安価であることや、扱いやすいものであることも選定ポイントとして重要です。

壁繋ぎアンカーの使用用途

壁繋ぎアンカーは主に、以下のような現場で活用されます。

1. 建築現場での足場設置

新築工事や増改築工事で足場を組む際、作業員の安全を確保し、足場の転倒リスクを軽減するために設置されます。建物の構造に応じて、コンクリートに打ち込む「ケミカルアンカー」や、既存の穴を利用する「あと施工アンカー」など、使用するアンカーの種類もさまざまです。なお壁繋ぎアンカーは、足場を撤去する際に取り外してコーキングなどで穴を埋めるなどの補修を行う場合や、次のメンテナンスのために残しておく場合があります。

2. 改修・補修工事

外壁の塗装や補修作業では、長期間にわたって足場を安定させる必要があります。壁繋ぎアンカーは、既存の建物に対しても強固な固定が可能であり、特にビルやマンションなどの高層建物では不可欠な存在です。なお一般住宅の外壁塗装工事では、特殊な事情がない限り壁繋ぎアンカーは用いられません。「控え」と呼ばれるつっかえ棒の役割を果たす施工や、全周を緊結した構造にするなどの対応が行われています。

3. 耐震補強工事

建物の耐震性能を高める工事でも、仮設の補強構造物と既存建物を一体化させるために使用されます。このようなケースでは、壁繋ぎアンカーは仮設設備の安定性と作業効率の両面で貢献します。