監修:株式会社シーイーエム
マイクロ水力発電機とは
マイクロ水力発電機とは、主に100kW未満の小規模な水力発電機です。
水力発電は高低差や水量を利用してタービンを回し、その回転で発電機を動かして電気をつくる発電方法です。使った水は河川や貯水池に戻るため、水資源を繰り返し利用できる環境に優しい再生可能エネルギーとして注目されています。中でもマイクロ水力発電機は河川や用水路などの比較的小さな水資源を対象にしており、大規模ダムを必要としない点が特徴です。小型であるため、設置に必要なスペースや工事規模を抑えられるという利点もあります。
小規模な河川や農業用水、浄水場や工場など一定の水使用量がある場所に設置されることが多く、低い落差でも稼働できる製品が開発されています。大規模な水力発電所に比べて発電量は限られますが、小規模ながら安定した電力の供給が見込めます。単独で動かす場合もあれば、配電系統と連系させて利用する場合もあります。
マイクロ水力発電機の使用用途
マイクロ水力発電機はこれまでの水力発電機では利用が難しかった水資源を有効活用できる製品です。したがって、幅広い用途での活用が検討されています。以下はその一例です。
1. 水インフラ施設
下水処理場や浄水場などは毎日一定以上の水処理を行うため、年間を通じて24時間安定した発電が可能であり、マイクロ水力発電機と相性の良い施設です。発電した電気は施設内で自家消費することも、配電系統を通じて売電することもできます。
2. 農地
農地での利用も代表的な例です。農業用水を使って発電して得た収益を農業設備の維持管理に役立てることができます。特に稲作が盛んな地域では、水利施設と組み合わせることで、安定的に電力が得られる点がメリットです。
3. 工場排水・循環水
洗浄水や冷却水を利用するプラントなど、水を大量使用する施設では既存の建物内側や外構部に存在する配管を利用して発電できます。工場稼働時間中はもちろん、蓄電池や他エネルギーも併用することで、工場未稼働時間帯の電気使用量やCO2排出量の削減にも貢献できます。
本記事はマイクロ水力発電機を製造・販売する株式会社シーイーエム様に監修を頂きました。
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