モータスタータとは
モータスタータとは、配線用遮断器とサーマルリレーの機能を持つ電動機保護用の装置です。
モータスタータのみで、モータ分岐回路の過負荷や欠相、短絡からの保護を行い、省スペース化や配線の簡素化を実現します。
モータスタータを使用しないモータ回路では、配線用遮断器・サーマルリレー・電磁接触器を組み合わせて制御していました。モータスタータは配線用遮断器とサーマルリレーの役割を一台でこなせるため、必要な機器を減らすことができます。
モータスタータの使用用途
モータスタータは、主にモータ回路の保護をするために用いられます。以下に代表的な使用用途を紹介します。
1. 産業機械の保護と制御
工場の生産ラインや工作機械など、多くのモータが使用される設備では、過負荷や短絡による故障リスクを低減するためにモータスタータが導入されています。これにより、モータの故障リスクを低減し、工場停止などのトラブルを防止します。
例えば、ベルトコンベヤやポンプ、ファンの駆動にモータスタータが用いられ、機器を過負荷や短絡から保護しています。
2. ビル設備の運用管理
ビルの空調システムやエレベーター、給排水ポンプなど、大型モータを使用する設備では、モータスタータを用いて過負荷や短絡を防いでいます。また、モータスタータは配線用遮断器とサーマルリレーの役割を1台でこなせるため、省スペース化が図れ、盤を小型化することも可能です。
例えば、高層ビルの空調ファンに異常が発生した際、モータスタータが即座に回路を遮断することで、システムの故障を防ぐことができます。
3. インフラ設備の安定運用
上下水道施設や発電所、送風機設備など安定的な稼働が求められるインフラ設備では、モータスタータによる制御が重要です。
例えば、水処理施設では、ポンプの過負荷や短絡を防ぐためにモータスタータが使用され、設備を保護しています。また、送風機や圧縮機では、異常時にモータスタータが作動し、回路を遮断することで機器の損傷を防ぎます。