自然塗料とは
自然塗料とは、主に天然由来の原料を使用した塗料であり、一般的には化学的に合成された成分を含まない塗料を指します。
ただし、明確な定義はないため、企業によって基準が異なります。
一般的な自然塗料の原料は、植物油や天然樹脂、ろうです。自然塗料には基本的に有機溶剤が含まれていないため、人体への悪影響が少ないといわれています。ただし、企業によって自然塗料の定義が異なることや、シックハウスの原因であるホルムアルデヒドが自然塗料から発生することがあるため、一概に安全とは限りません。よって、選定の際には原料を確認し、安全性や機能性を判断することが重要です。
自然塗料の使用用途
自然塗料は、安全性の高さや環境負荷の低さから、多くの分野で活用されています。以下に代表的な使用用途を紹介します。
1. 住宅の内装・家具の塗装
自然塗料は、住宅の壁や床、家具の塗装に広く使用されています。特に、化学物質に敏感な人や、小さな子どもがいる家庭で選ばれることが多い塗料です。住宅の内装に用いられる塗料には、防腐や防カビなどの性能を持った商品もあります。
例えば、木製のテーブルや椅子に自然塗料を使用することで、木材の風合いを活かしながら、安全にデザイン性を向上できます。
2. 子ども向け製品の塗装
自然塗料は、安全性が求められる玩具や子ども向け製品の塗装にも使用されます。有機溶媒が含まれている塗料には有害な物質が含まれている場合がありますが、自然塗料は人体に優しい傾向にあるため、子どもが口に入れる可能性のある製品に多く使用されています。
例えば、木製のおもちゃやベビーベッドの仕上げに使用され、安全性を保ちながら自然な色合いと手触りを維持します。
3. 文化財や伝統建築の補修
自然塗料は、文化財や伝統建築の修復にも用いられています。自然塗料の中には、耐候性に優れたものや、素材本来の色合いや質感を活かせるものがあります。素材に合った自然塗料を用いることで、文化財や伝統建築の持っている魅力を最大限に引き出すことが可能です。
例えば、神社や古民家の木部塗装には、植物油を主成分とする自然塗料が使用され、素材本来の質感を活かしながら、耐久性を向上させています。