播種機とは
播種機とは、農業を行う際の種まき専用機器です。
播種機には、種を入れる箱、種を繰出す装置、土に溝を作る装置、土壌中に種を埋める装置、土を上に被せるための覆土鎮圧装置などが複合しています。そのため、土に溝を作って一定の間隔を空けて種をまき、土を被せるという工程を1台の播種機で行うことができます。
播種機の種類
播種機は種の種類や耕作場所の環境によって適切なものを選びましょう。機種によっては対応サイズ以外の種子は対応できないため、扱う種の大きさに注意が必要です。最近では、カセットを変更することであらゆる種子サイズに対応できる機種も増えています。
また、播種機は播種方法によって、条播式、点播式、散播式の3種類に分類されます。
1. 条播式
畝に沿って条播きをする作物には、条播式の播種機を用います。条播式の播種機を用いることで、種を一定間隔のすじ状に播くことが可能です。
本体が大きく小さい畑には不向きですが、条数が多いほど作業効率が向上するため、大規模な畑での使用に最適です。野菜類や穀類などの種まきに使います。
2. 点播式
直播・点播する作物には、点播式の播種機を用います。点播式の播種機を用いることで、必要な数の種をピンポイントで播くことが可能です。
屈まずに作業ができるので、作業にかかる負荷を軽減することができます。また、必要な量だけ種を播くことができるので、間引きの手間を省くことが可能です。小規模な畑での使用に適しており、主に野菜類や豆類などの種まきに使います。
3. 散播式
種を一面に薄く播く場合には、散播式の播種機を用います。散播式の播種機を用いることで、種を広範囲に均一に播くことが可能です。
スピンナーを手回しするタイプの携帯型人力散播機と、トラクターで牽引するブロードキャスター、苗箱に種子を播く育苗タイプのものなどがあります。広範囲への種まきに適しているため、大規模な畑での省力化に役立ちます。主に牧草や穀類などの種まきに使います。
播種機の選び方
1. 畑の規模や栽培する作物に合っているか
播種機は種類が豊富で、特性を生かせる分野が機種によって異なります。
種の播き方や対応する種子のサイズなども、播種機によってさまざまです。播種機を導入する際には、畑の規模や栽培する作物などを踏まえて、最適な播種機を選ぶようにしましょう。
2. 使用用途に合っているか
播種機は種類が豊富ですが、必要以上に高機能なものを選んでしまうと、かえって作業効率が下がってしまうこともあります。
例えば、家庭菜園や小規模な畑で使用する場合は、操作が複雑でなくメンテナンスが簡単な機種を選ぶと良いでしょう。また大規模な農園で使用する場合には、操作が多少複雑でも作業の効率化がはかれるのであれば、導入する価値があるかもしれません。
播種機を選ぶ際には、使用用途に合ったものを選ぶことが大切です。
播種機の特徴
長所
1. 作業効率の向上
播種機の最大のメリットは、作業時間を短縮できることです。種まきには作溝・播種・覆土・鎮圧など複数の工程があります。播種機を使用することで、これらの行程を効率よくこなすことが可能です。播種機の種類によっても機能は異なるので、栽培する作物に合わせた播種機を導入するようにしましょう。
2. 一定に種を播ける
播種機を用いることで、播く種の量を一定にすることができます。必要以上に種を播いてしまう心配がないので、間引きの手間を省くことが可能です。また種のコスト削減にも役立ちます。
3. 身体的な負担の軽減
手作業での種まきは、足腰への負担が大きくなりがちです。播種機を導入することで、無理のない体勢で種まきが可能なだけでなく、作業時間を短縮することもできます。
短所
1. 導入にコストがかかる
播種機の導入にあたっては、少なからずコストがかかります。目的に合った成果が得られるよう、機種選びは慎重に行いましょう。
2. 置き場所を検討する必要がある
導入する播種機の大きさによっては、事前に置き場所を検討しておく必要があります。播種機を使用するのは主に種まきの時期だけなので、基本的にはどこかへ置いておかなければなりません。播種機のサイズにもよりますが、置き場所については事前によく検討することが必要です。