荷役機械

荷役機械とは

荷役機械とは、海上輸送される荷物の搬送、積み付け、仕分けなどを行う機械の総称です。

港湾において、原材料や工業部品および製品など有形物の移動や保管、取り扱いを荷役運搬といいます。港湾では物の移動は上げ下げと横移動であり、上げ下げを主体とするのはクレーン類で、横移動を主体とするのはコンベヤです。荷役運搬を行うあらゆる機械を、荷役機械もしくは荷役運搬機械と呼びます。厳密には船や貨車、トラックなどと埠頭や倉庫、資材置場などとの間の荷の積み下ろしが荷役であり、港湾や物流施設内の荷物の移動が運搬です。ただし現代では荷役と運搬は一連の荷物の移動とみなし、保管も含めて荷役運搬と考えられています。港湾では多種多様の荷役機械が利用されており、それらの性能や使用方法、稼働率は物流コストに大きな影響を与えます。船舶の積み荷の形態はばら物や個物などさまざまで、それらに合わせた荷役機械が必要です。

荷役機械の使用用途

荷役機械は港湾におけるあらゆるシーンで使われています。

1. 荷物の積み下ろし

荷役機械の中で、上下方向の動きをするのがクレーンです。クレーンにはさまざまなタイプがあり、港湾においては、不特定の場所に移動できる移動式のクレーンが一般的です。船舶上のコンテナ貨物の荷役を行うガントリークレーンや、コンテナヤード内でコンテナ貨物の荷役を行うタイヤ式門型クレーンなどがあります。

2. 荷物の移動

港湾においてコンベヤは横方向の動きをする荷役機械であり、ベルトコンベヤとその応用機械、流体コンベヤなどがあります。港湾で使用されるコンベヤの一種として、石炭や鉄鉱石、穀物などのばら物を船舶から陸揚げするアンローダがあります。また、車両系荷役機械の代表的な存在で頻繁に使用されている荷役機械としてフォークリフトも挙げられます。

3. 小型の荷役機械

荷役機械には小型のものもあります。荷役機械は港湾で使用されるため大型機械のみがイメージされやすいですが、実際には台車やハンドパレットのように人力で動かす機械も頻繁に利用されており、この様な機械も荷役機械として取り扱われます。