通線工具とは
通線工具とは、ケーブルやワイヤーなどの線を配管に通すための工具です。
通すのは配管だけではなく、天井裏や壁もあれば、屋外でケーブルなどを通すこともあります。通線には、通線ワイヤーや呼び線、ケーブルキャッチャー、通線用潤滑剤、ケーブルフィッシャーなどの工具類を使用します。これらの工具を組み合わせて使うこともあれば、一種のみで事足りる場合もあります。ひも通し、ゴム通しも通線工具の一種です。
配管に電力線などを通すための前準備として、最初に細い線を通しておきます。これが通線ワイヤーあるいは呼び線です。その線の終端に目的の線の先端を仮止めしておき、前準備の線を引っ張ります。そのために軽量の通線工具が必要です。天井裏や配管では終端からケーブルキャッチャーを差し込み、呼び線をキャッチします。配管や天井裏は暗いことも多いため、LED照明装置が搭載されているケーブルキャッチャーもあります。
通線工具の使用用途
通線工具は主に配管で使用され、ビルや住宅設備においてはとても重要な工具です。
1. 配管での配線
配管はケーブルなどを通すためのダクトのことで、配線するためには通線工具が必要です。工場やオフィスビルなどの施設に配線用の配管があります。配管は室内の居住部分からは見えないところに碁盤の目のように配置されている事が多く、後から配線する際にも活用できる工夫が施されています。しかし実際に配線をする場合は、通線工具がないと困難です。
2. 天井裏や壁面の配線
一般住宅の天井裏や壁面にも通線工具を使用して配線を行います。天井裏には既に他の目的のケーブルが配線してあったり、収納スペースとして活用されていたりする場合もあります。既に設置されていたり、置かれていたりするものを避けながら通線することが必要です。
3. 送電線などの配線
送電線の配線も通線工具が必要です。天災や事故などで送電線が切れた時の修復や、新規に送電線を張る場合には特殊な通線装置があります。アクセス操作棒のように高所の通線を行うための通線工具を使用します。