カルボニル

カルボニルとは

カルボニルとは、2価の原子団C=Oの官能基名、またはそれを含む有機化合物の総称です。この基に二つの炭化水素基が結合した化合物をケトン、水素原子と炭化水素基が結合した化合物をアルデヒドとよびます。このほか、カルボン酸、アミドといった化合物もカルボニル基をもちます。

また、一酸化炭素COが配位子となる場合にカルボニルという配位子名が用いられます。たとえば、Ni(CO)4はテトラカルボニルニッケルと呼ばれます。一酸化炭素が金属に配位した錯体を金属カルボニル錯体と呼びますが、これらを単にカルボニルと略称することもあります。

カルボニルの使用用途

カルボニル基の酸素原子は電子求引性を有するため、カルボニル炭素は弱い正電荷を帯び、求核剤の攻撃を受けて付加反応を中心とするさまざまな反応を起こします。カルボニル基をもつ化合物は、ヒドロキシルアミンやフェニルヒドラジンといったカルボニル試薬と縮合反応を示し、オキシムを生じます。

また、カルボニル錯体であるペンタカルボニル鉄Fe(CO)5は、最も一般的な液体の金属錯体のひとつであり、有機合成において有用な、多くの鉄化合物の前駆体として重要な役割をもっています。 

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